24 現代に蘇る遺跡機体 5


 一方達也の捜索を今いる全騎士団で行われていた。


「達也ーッ!!」

「いるなら返事をしてくれー!」

「達也ー!!」


 魔装騎兵フレーム・ストライカーで捜索するカイル達。

 ロイはヴァルキスの2足歩行モードで辺りを探し回る。

 ある程度探すと集合する用の信号魔法が空へ放たれた。


「どうだ!?」

「いえ、こっちは……」

「クソッ!!」


 魔装騎兵フレーム・ストライカーを降り、カイル達は報告し合うと思わず、土を蹴るカイル。

 セラは自分を責め続けていた。


「私のせいだ……私のせい、だ……」


 カイル達はなぜセラが自分を責めているのか分からずにいた。


「……何でお前のせい何だよ」


 顔を手で目元を隠していたセラが涙を流しながらロイへ視線を向ける。


「……エクスカリバーにブースターのリミッターを掛けた……」

「は? え? な、何んでそんな事をしたんだよッ!!」


 思わず声を上げるロイを睨みながら立ち上がるセラ。


「今までのエクスカリバーはッ……!! 現行、のフレームでは壊れるのッ!!!! それで……それで……!」


 目を見開き、涙を止める事が出来ないセラは俯く。


「達也の動きにッ!!!! 魔装騎兵フレーム・ストライカーが耐えられないッ!! 分かるッ!? 下手したら自壊してッ!!!! あの速度で自壊何てしたら達也は、達也は……死ぬんだよッ!!!!」


 手を震わせ、ロイに一歩前に出るセラ。


「それでどうしろとッ!?!? 私は……!! 達也の……達也の、為に……したの……にッ!!! 逆にぃ……達也が……ぁあああ……」


 泣き崩れ、その場で地面に膝を着ける。そんなセラに何も言えないロイ。

 レティがセラに近づき、抱き寄せた。


「あぁああああああ……!!」


 声を上げ、レティの胸の中で泣くセラ。


 そこへオルシェンと都市防衛騎士団の一人が現れた。


「セイラム、エクスカリバーのパーツが見つかったぞ!」


 セラはオルシェンの方へ見て立ち上がる。


「どこですか!!」


 オルシェンは都市防衛騎士団員と顔を合わせてから、


「ここから東の魔獣の森の近くと、西の海辺の近くだ」


 鼻を啜ってから考える前にセラは何故か、心に決まっていたのだ。


「……森です」

「なぜ、そう思う?」

「……女の勘です」


 何処か生きていると心の中で思うセラは涙を止め、


「私は森に行きます」

「……良かろう、ならワシ等は海辺に行く」

「お願いします」


 頭を下げてから振り返り、カイル達の元へ向かう。

 その顔付きは先ほどまで泣き崩れていたセラとは別人の様に変わっていた。


「セラ、大丈夫か?」

「大丈夫です、お兄様。それよりも至急砦に戻ります」


 突然すぎるセラの行動に思わず全員が驚愕して止まる間をセラが通る。


「ま、待てって! 捜索は!?」

「砦に戻ってから直ぐに向かう」

「いや! 今探さないと!!」

「分かってるわよッ!!!! 今すぐ森に行きたい!! けどね!」


 後ろへ振り返り、


「達也は絶対にエクスカリバーも一緒って言う!! だから、あれを持ってくるのよッ!!」

「あれ? おいおい! あれまだ未完成だろう!?」

「未完成って言ってもただ魔撃を放てないだけ、普通に動くから問題ない」

「はぁ……お前と達也ってホント、デタラメだよな……」

「は? 何? ケンカ売ってるの?」

「何でもねーよ……それじゃ帰るか」

「うん」


 驚愕しているカイル達を置いていく様に自身の魔装騎兵フレーム・ストライカーに乗り込み、砦に戻る。

 待ってて達也、絶対に助けに向かうから。と心の中で思うセラであった。

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