39 王位真偽戦争Ⅱ 2
「突撃ッ!!」
「ぶっ飛ばせぇッ!!」
紅蓮中隊と黒剣中隊がぶつかり合った。
「「「うおおおおおおおおおお」」」
両者がぶつかり合い、達也とガゼットが手を出さず見守る。
ガゼットは見た事の無い
そこへガゼットの部隊の部下が近づく。
「ガゼット様、あれは新型でしょうか?」
「分からぬ。あの赤いのも……そして、白いあれも」
「我らは加勢しなくても宜しいのでしょうか?」
「ゾルドラが行ったのだ、放って置け」
「しかし……」
部下が食い下がる。それもその筈だ、ここで負ければ相手の士気を上げる事に繋がり、ゾルドラとガゼットの部隊は再度合間見ても、再び倒したものが立ちはだかるだろう。
しかし、ガゼットはそれは分かっている事であり、むしろ今は手を出さない方が良いと考えていた。
「私が何故動かないのか、それが知りたいなら正面の白い
「は、はぁ……?」
言われる通り達也のエクスカリバーを見てから、ガゼットを見る。
「ただの白い
「分からないか?」
ガゼットは長年の戦闘経験からの勘と状況で一発で分かった。
「我らは全部で10機、それに対して相手は6機」
「……人員を割けなかっただけでは?」
「違う。あれは、別格だ……だから、1機なのだ」
「敵エースという事ですか!? なら、今ここで討ちましょう!!」
「焦るな、言っているだろう。あれは別格だと」
ガゼットは功を焦って取ろうとする部下を制止させてから、エクスカリバーを見る。
「……間違いなく、この戦争で最後に立ちはだかるのはあの白い
「……全機で向かっても勝てないのですか……?」
「……分からぬ。牙を向ける事が出来るか……その問題もある」
ガゼットの発言に部下たちは驚愕し、エクスカリバーを睨む。
「ガゼット様……俺達はゾルドラ様が勝つのを見守るしか出来ないのですね」
「ああ……相手が出てきたら、全力で魔撃援護からの撤退だ」
「……了解」
勝てぬ敵を目の前に、握りこぶしを作りながらもゾルドラの勝利を願うガゼットの部隊であった。
―――――――――
「クゥッ!!」
「おいおい、これでぇ……本気って、訳じゃぁないよな?」
ガゼットの部下達が思う中、ジークとゾルドラの戦いは意外にもゾルドラが優勢であった。
「クソッ!」
一旦距離を離そうとするレクスレート。だが、それを許せないと言わんばかりにゾルドラの
「おいおい! 俺のオクトーから逃げんなよ!」
接近して黒い剣でX斬りを放つが、レクスレートは双剣で弾く。
完全改修をしたレクスレートは簡易ブースターを腰に装備しており、一気にオクトーから距離を取った。
見た事のない物を見たゾルドラは思わず、口笛を1つ。
「ヒュウ……おもしれえな」
オクト―を見ながらジークは少しだけ息を整える。
「意外と相手強いなぁ……全くもって……心が躍る!」
双剣を構えるとオクト―も同時に構える。
そして走り出すオクト―に対し、簡易ブースターを起動させて急接近を行ったレクスレート。
「おお!! おもしれぇなッ!!」
「ハァアアアアアアアアアッ!!」
レクスレートの双剣が振り下ろされると、オクトーは剣で受け流す。
受け流され、態勢が崩れる前に簡易ブースターを逆噴射させ態勢を戻して、オクトーの攻撃を躱す。
躱す瞬間に剣を振り上げるが、脛に着けられた剣によって弾かれる。
両者とも離れると、
「君……いくつ剣を持っているんだい……?」
「お!? よく聞いてくれたなぁッ! 全部でぇ! 8本だ!!」
「……何でそんなに多いんだい?」
「ばっきゃろうおめぇッ!! 剣があればいくらでも戦える! って事は! 剣をいっぱい持っているなら強い!! だッ!!」
ゾルドラのまさかの発言に思わず、ジークは戦いの最中と言うのに片手で頭を抱えた。
「君は、バカなんだね……」
「いっとけッ! んじゃ、ウォーミングアップも終わったし……ちょっくら、本気出しますかねぇ」
そういうとオクト―が双剣を構える。レクスレートも構えるとオクト―が走り出す。
レクスレートはある程度オクト―を引き付けてから、簡易ブースターを噴射させて突進攻撃と同時に斬撃を与えようとした、が。
「あめぇよ」
「なッ!?」
背中から突如2本の剣が出て、レクスレートの右肩に突き刺し、もう1本は何とか避けた。
しかし、手に持っている2本の剣でレクスレートを切り裂こうとしたが、刺さっている剣を弾いて後ろに飛ぶ。
だが、それを追いかけ背中の2本の剣がまたもレクスレートを襲う。
しかし、ジークはバカでは無い。1本を弾いてからもう1本は避ける。
近づいてきたオクト―の剣を受け止めてから弾き、横に切り裂こうとした。
「ハハッ!! おもしれぇなッ!!」
左足を上げ、脛に装備された剣で受け止めてから、蹴り上げて右足で回し蹴りを放つ。
肩に着けられた盾が大きくえぐられる。
「脛にも剣か!!」
「いいだろう! これッ!!」
「クソッ!」
蹴り上げてくる足を避けると、背中の剣がレクスレートを襲い、そこに空かさず踏み込み、剣で切り裂こうとする。
それを受け止めてから、弾いて攻撃に出るレクスレート。
しかし、オクト―の方が手数が多く不利に陥る。
そして回し蹴りを避けた瞬間、背面回し蹴りがレクスレートに放たれた。
レクスレートは何とか剣でガードすると剣が折れる。
何かと思い、ジークはよく見ると踵に仕込まれた剣が出現していた。
後方へ飛んで、折れた剣をオクト―へ投げるが剣で弾かれる。
思わずジークは深いため息を1つ。
「……その踵のもしかして、両足についてる……?」
「お! いいねぇッ!! 正解だッ!!」
「……凄く面倒臭い相手で、やり手なのは全くもって……困る」
「そう嫌がんなって!」
オクト―が近づき、剣を振るう。
ジークは深呼吸を1つしてから、
「まぁ……こっちも本気を出さないとな」
操縦桿を強く握り、自分自身を奮闘させたジークであった。
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