王位真偽戦争編 Ⅱ
38 王位真偽戦争Ⅱ 1
達也達の加勢により、崩れていた戦線を取り戻しつつあった。
前までは東より王都サームクェイドから、ハーフェンに近い街デウンまで押されていた状態が、今ではデウン周辺の街を取り戻していた。
だが、サームクェイド奪還には南東の砦と中央都市タルシェンにタルシェンの前の砦、東の砦を取りも出さなければならなかったのだ。
それだけでは無い。現在デウンを拠点としているが、いつ襲撃が来るか分からない。
達也達は少数精鋭でサームクェイド軍とジンガーム軍の2国を相手している。
そして達也達は今、ガヴァメントを走らせ次の目的地の東の砦の奪還に向かっていた。
この戦いのメンバーが達也、セラ、ジークとその後輩5人。
「リネスタリ隊長ー暇ですー」
「うむ、確かに暇だね」
「何かドンパチ起きませんかねぇ」
「いや、それはご遠慮願うね」
『ジーク先輩、そんな事言わないで見張りお願いしますよ』
思わずセラがジーク達の部隊、紅蓮中隊へ言う。
「「「ういーす」」」
何というか性根は良いが、喧嘩っ早い様な人物が多い。
紅蓮中隊は返事をしてから見張りを再開する。
達也は指揮官機用ガヴァメント、セラの操縦している見張り台から見張っていた。
『達也、何かいる?』
「いんや。これと言って何もない」
『そう、なら良かったかなー』
「なんで?」
『達也といっぱいお話が出来るからッ』
「なるほどね」
『うんッ! あ、そうそう達也気になった事があるの』
「なにー?」
望遠鏡を覗きながら答える達也。
『相手ってさ、エースいるのかな?』
「んー……どうだろうね」
『いたらどうする?』
「まず、どんな
『だねッ!! あー! 敵エースが出てきてくれないかなー!』
通信をしながら会話する2人。普通に考えると相手している敵に対して、エースと言う名の猛者が現れる何て考えると恐ろしい事である。
この2人の通信を聞いていた喧嘩っ早い紅蓮中隊ですら、顔を青ざめていた。
「リネスタリ隊長……」
「……何だね?」
「……ウチの団長って頭おかしいんですか?」
「言うな……達也はああいう人間なのだ……」
「……願うなら、どうか敵エースのいる部隊に会わない事です」
「それは激しく同意だね……」
本音を漏らすジーク達であった。
―――――――――
サームクェイド軍とジンガーム軍を作戦会議していた。
ぶっきらぼうにテーブルに足を乗せる男と、隣で腕を組みながら黙っている男性2人。
対面にはセッコクとオゥルオが座っている。
それから間もなくして、扉が開かれた。
「それでは作戦会議を始めます。まず問題なのは未だ反抗を続けている反サームクェイド軍の事です」
「女王陛下、ハーフェンから来た者は反サームクェイド軍側に付いた模様です」
「なら、次の標的はハーフェンです」
「御意」
オゥルオとの会話が終わるとティアはジンガーム軍の2人を見る。
「ゾルドラ、貴方強い相手と戦いたい?」
「お? 良いねぇ、エクトール共と相手するのに飽きてきたんだ」
足を下し、ゾルドラがティアを見ながら言う。
「ええ、ですのでお2人……ガゼットとゾルドラにはハーフェンからやって来た者達と相手してください。もちろん、助力はします」
「だってよ、親父!」
「……我がジンガームには向かう者は排除するだけだ」
「では、お願いします」
会議から出てから、すぐにゾルドラとガゼットの前に現れた男性。
「
「はい、相手の情報は押さえています」
「お! なら、俺が行くぜ親父!」
「……俺も行く」
「珍しいな、そんなに気になるか?」
「ああ」
「んじゃ、行くかー!」
達也達の元へ向かうのであった。
―――――――――
『敵機発見!!』
突如、達也の元へ情報が入る。
「総員、戦闘準備!」
『『『了解!!』』』
達也達は
ガヴァメントを停止させてから退避させる。
その後、ジンガーム軍の
ジンガーム軍の
エクスカリバーが一歩前に出た瞬間、レクスレートが止める。
「何を?」
「君は騎士団長だ、そう簡単に出て貰っては困る」
「じゃあ、どうしたら」
「私が行くよ」
「なら、ここで少し見させて貰いますね」
レクスレート率いる紅蓮中隊が前に出る。
「親父、コイツは俺が行く」
ゾルドラの
そして互いに近づくに連れ、速度を上げていく。
レクスレートが双剣を抜き、ゾルドラの
「紅蓮中隊!」
「
ジークとゾルドラが中隊に声を上げ指揮を上げる。
「突撃ッ!!」
「ぶっ飛ばせぇッ!!」
紅蓮中隊と黒剣中隊がぶつかり合った。
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