概要
これは翳。叡智の光ある限り、亡ぶことはない。
十四の誕生日を目前にした春の祝祭の夜、まじないの才を持つ少女・キイラの村は異教徒らによる襲撃を受ける。天涯孤独となったキイラを保護したのは、異教徒討伐の命を受けた〈二軍〉の魔術師らであった。いわくつきの喋る指環・カドを携え、復讐を果たすべくキイラは〈二軍〉への入団を画策するが……。
国の行く末を巡る、貴石と魔術の復讐譚。
国の行く末を巡る、貴石と魔術の復讐譚。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!“図書室で借りたあのファンタジー”
(38話まで読了済みでのレビューです。ネタバレは含みません。)
作品を読み真っ先に思い出したのは、その昔、図書室で借りた海外ファンタジーの小説を読んだときの没入感です。
まるで世界の秘密を隠しているかのような、魅力的なタイトル。重い表紙を開けばほんのり紙の几帳面な匂いがして、平たく並んだ目次の行列を抜けると、魔法のように物語が始まったものでした。日ごろ見慣れているはずの言葉が、頭の中で美しい映像に編み上げられていくのです。夢中で夜中まで読みふけった時間は忘れがたく甘美で、しおりをはさんで日常を送っていても、遠く離れた友人を思い出すように、いつでも心の中で物語に会うことが出来ました。
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