武家屋敷の奥には閉じ込められた少年とお家騒動と捻れた恋。
江戸に幕府が開かれて数十年。力がモノをいう時代は遠ざかり、道徳と規律による統治が進み始めた頃。
海辺の小藩に仕える武士の娘・美緒は、命令によって、同家の江戸屋敷へとやってきた。そこで与えられた役目は、『頭が狂った』のだという、椿と名乗る男の世話。
椿は咲いた姿のまま枝から落ちる花。
その様はあたかも負け武者の首を落とされるがごとくと、武士に嫌われてきた花。
敢えてその名で呼べという少年に、美緒は心惹かれていき――
・2016年秋開催のビーズログ文庫×カクヨム「恋愛小説コンテスト」において、最終候補作に選んでいただきました。
https://kakuyomu.jp/info/entry/2017/02/03/183326
・おおさわ様からイラストを頂きました。
https://pbs.twimg.com/media/C6pD98bVAAElvDm.jpg
https://twitter.com/chiyoko_aki/status/840559016833032192
ありがとうございます。