徒手編

動き続ける歩法

 間合いの外にいる相手へ打ちかかるには、まず踏み込む必要がある。

 大きく一歩踏み出す必要がある。

 が、両の足を大きく開いてしまっては次の行動へ移り辛くなってしまう。自ら足を開いて立っていただけると理解しやすいはずだ。

 これでは相手に防がれたとき、かわされたとき、窮地に陥ってしまう。相手を斬り伏せることができたとしても、間髪入れずに左右から攻められてはひとたまりもない。

 特に戦場においては、四方八方が敵だらけだ。


 そこで「対歩ついほ」を使う(ここで私は始めて「対歩」が一般用語でないことを知った)。

 言い換えるなら、「寄せ足」「継ぎ足」等と言えばわかってもらえるだろうか。踏み込んだ足の踵、そのすぐ後ろにもう一方の爪先を寄せるのである。足裏全体を地に着けてしまうと瞬発性が失われてしまうので注意だ。


 寄せた足は後退させるための踏み出しに使っても良いし、方向転換または次の踏み出しのための軸とすることもできる。

 このようにすることで、その後の動きを素早く行うことができる。


 また、別の利点もある。

 移動後の重心がより相手に迫るため、攻撃に突進の勢いをすべて乗せることができるのだ。

 いくら小柄な人物であっても、その体重分の衝撃を受け止めるは相手にとって容易ではない。


 敏捷をウリにしているキャラが複数の敵をばっさばっさと斬り伏せるシーンにいかがだろうか。

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