(補遺)古月流活劇組立法


※今回の内容は以前twitterにて投稿したものを再編集したものです。内容は若干変わっています。


元のツイートはこちら。

https://twitter.com/kogetsu700/status/828606329677819904


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 戦闘シーンを書くに際し、まず初めに「決めの技/場面」を決める。どのような決着を迎えるか、だ。

 どのような必殺技を繰り出すのか。敵を倒すのか、逃がしてしまうのか。あるいは相討ちか。

 「特殊な勝利条件」という場合もあるだろう。例えば「味方を逃がしきるまで時間を稼げば勝ち」「試合場であるテーブルから落ちたら負け」「相手のプライドをズタズタにすれば勝ち」など。最終的にどのような場面にするかを決める。


 次に場の条件を定める。主に足場や障害物と思ってよい。

 これはストーリーの進行状況によってあらかじめ定められているかもしれない。海上にいる人間がいきなり山頂で決闘することはあるまい。

 その場所にはどのような利点と欠点があるかを考えておく。例えば船上であれば足場は相当揺れるに違いない。つり橋の上ならば左右への移動は難しかろう。屋内であれば跳躍技は繰り出しづらいかも知れない。夜間であれば夜目の効く方が有利だ。


 次に大まかな流れを決める。初手はどちらが繰り出すか、序盤に優勢なのはどちらか。優勢劣勢の転換は何をきっかけとして発生するか。

 言わせたいセリフがあればそれを発言させる場面も考えておく。


 最後にそれらを動作で連結する。

 このとき、双方の攻め方(戦闘スタイル)を意識すると繋ぎの動作も考えやすい。例えば逆手剣スタイルvs突き主体の槍スタイル、など。

 先の場の条件に加え、個々の弱点は戦況を左右する重要な要素にもなる。上手いことそれらを取り込むことで独自の戦闘場面を作り出せる。


 どうしても明確なイメージが思い浮かばないときは、「たちまち数十合を切り結んだ」のように省略してしまうのも手だ。

 むしろ戦闘が長引くなら挟むべきとも言える。私自身が結構やりがちなのだが、詳細な描写が続くとそれを脳内で再現しようとする読者側の想像力をかなり消費する。つまり読み疲れてしまう。

 適度に手を抜こう。


 以上。異論は認める。

 あくまで私のやり方なので、行き詰まった際の参考程度に。

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