片手剣を両手で扱う
日本の剣術は二刀流でもない限りは両手で刀を握る。
一方、中国や西洋の剣術は片手剣を扱うことが多いようだ。もちろん、双手刀法もあればロングソードもあるが、主流ではないように思う。
さて、片手剣を手にしているとき、その反対側の手はどうすべきなのか。
一つは「背面、腰の位置に添える」。これは不用意に武器を持たぬ手を晒して斬り落とされないようにするためだ。短いナイフ類で斬り合う場合にこのような構えを取るようだ。
もう一つ、「後方へ長く伸べる」こともある。フェンシングはまさにそれだ。
これはもちろん、斬り落とされることを防ぐためでもあるが、もう一つの意味がある。それは「剣のコントロール」である。
剣は長い金属の棒だ。ただでさえ重いのに、振り回せばその遠心力で振り回されそうになる。しかしそれを素早く、的確に扱わなければ隙を晒して危険を招く。その為にもう一方の腕を使う。
簡単に言えば「舵取り」の手だ。胴体を支点に、腕を動かすことで剣を操る。左右に振って薙ぎ、上下に振って斬りつける。
武器を持たないからと意識をなおざりにしてしまうと痛い目に遭うだろう。武術は常に全身を使う。
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