攻撃を制する

 敵の攻撃を受け続けるだけではいずれジリ貧に陥る。何とかして相手の攻撃を中断させ、攻勢に転じなければならない。


 ここでは「抑え込む」用法について述べてみる。

 抑え込む、と言っても、柔道の寝技ではない。言い換えるなら「相手の次の攻撃を妨害する」と言えよう。


 具体的な例を示す。

 相手が拳を繰り出したなら、これを下に払って受ける。が、このとき「相手の腕に自分の手が接触したまま」にする。

 つまり、相手の腕を上から抑え込んでいる。むしろ掴んでしまっても良い。

 それだけかと思われるかもしれないが、抑えられた側は意外にも動きづらくなるものだ。人間、予期せぬ力を加えられるとうっかりそれに反抗しようとしてしまう。その間、その腕は無効化されているわけだ。


 これは武器を手にする場合にも使える。

 触れ合った部分へ下向きの力をかけて抑え込む。剣であればここで柄元まで剣を滑らせる。そうすることで体全体を使うことができるからだ。踏み込みながら体重も乗せれば抗える者はいない。


 もちろん、下方向でなくとも抑えることはできる。上に持ち上げるか、左右に押し付けるか。

 重要なのは、相手の手足あるいは武器を制し、同時に相手の体をこちらに晒させることだ。相手の無防備を作り出すことだ。


 抑え込み、相手の動きを制したならば、そこからが反撃だ。

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