世界と僕を、知りに行こう。
(現在二章完結・三章準備中)
気が付けば見知らぬ場所に居た。ここはどこなのだろうか。なぜ自分はここにいるのだろうか。どのようにしてここに来たのだろうか。なにを思ってここを訪れたのだろうか。
そして何より、僕は一体誰なのだろうか。
いつどこで生まれたのだろうか。両親はどこにいるのだろうか。誰と共に育ったのだろうか。誰かを愛したことがあるのだろうか。
そんなことも分からないというのに。
────なぜ僕は、魔法というものの存在を知っているのだろうか。
人が指から火を出すような、不可思議な理が存在する世界。
ひとり立ち尽くすまっさらな少年は、様々な人々に出会い、導かれながらひとつひとつ世界のことを知っていく。知らなければならないことも、知っておいたほうがいいことも、知らなくて構わないことも、知らなければよかったことも。
黒の王国、王立学園。学びの街はまっさらな彼に様々な色を流し込んでいく。それはさながら塗り絵のように、やがて色付く異世界幻想。