第一節 八 「初めての依頼」
「ありがとな! お前いいやつだな!」
瞬く間にスープを平らげた少年は、クレールの肩をばんばんと叩きながら大声でそう言った。
赤毛の少年が空腹でうずくまった後。早急にスープを買ったクレールは、通りの邪魔にならないよう道端にあったベンチへと少年を引き摺った。
なんとか少年をベンチに座らせてから、クレールは彼の目の前にスープを近づけ「とりあえず食べた方が良い」と語りかけると、弾かれたように赤毛の少年はスープを貪った。
余程腹が空いていたんだな、とその様子をクレールは同情の目でもって眺めていた。つい昨日、そして今朝も空腹の辛さを味わっていたが故に、クレールは赤毛の少年を放って置く気にはなれなかったのだ。
「礼は別に構わない。落ち着いたのなら何よりだ」
「びっくりするくらい親切だなお前、礼くらい言わせてくれよ。……っとと、そういや名乗ってなかったな。俺は討伐科のテオってんだ。お前は?」
問われたクレールは簡潔に「クレール、と名乗っている。総合科だ」と返す。
討伐科とは、武器や魔法を用いた魔獣の討伐を専門とする学科である。
戦闘に関する実戦講義が主であるが、僻地での生存技術や各地の地理気候、あるいは動植物の生態なども学ぶ。あらゆる場所に存在する魔獣を狩る為、多様な技術を習得することが目的である。
科旗は鷹。人と共に狩猟を行う知性の高さと、猛禽特有の勇猛さは、冷静に魔獣を狩る討伐科生の理想の一つであるという。
なるほど討伐科なら、皮鎧に斧槍という物々しい姿も頷ける。クレールは心の中で
ひとつ納得した。
「へー、総合科ってことは一年目か? 二年目以上の総合科居残り組にしては、なんか新参っぽい顔してるし」
「ああ。今日の朝に入学手続きを済ませてきた」
「って、一年目どころか編入の一日目かよ!? めでてえな! 入学おめでとうだな!」
そう言うと再びクレールの肩をばんばんと叩く赤毛の少年テオ。中々荒々しいというか、豪快な性格をしているらしい。肩に伝わる痛みにこっそりと顔をしかめつつクレールは思う。
「いっちょセンパイの俺がなんか奢ってやる、と言いたいところなんだけどよ」
「分かっている。金が無いんだろう」
「……はっきり言うなよ、へこむだろうが」
途端にテオはしゅんと肩を落とす。どうやら彼は浮き沈みが激しいようだ。分かりやすく素直なのだろう。
「まあ、こいつが手に入ったから後悔はしてねえけどな」
ベンチ脇に置いていた長物を手に取り、すっと上に掲げて誇らしげに笑うテオ。
「形から見るに斧槍、ハルバードというやつか」
「おうよ、よくわかったな! 昨日からの俺の相棒だぜ! 中々値が張ったんだけどな、その分性能はオリガミ付ってやつよ」
「で、それを買ったが為に食べていく金が無くなった、と」
「いやあ、こいつが欲しくて仕方なくて、先のこととかあんまり考えてなかったんだよなぁ」
だはは、とテオは豪快に笑い、斧槍を傍に置く。その無計画さに若干の心配を覚えるクレールであったが、本人が後悔していなければそれはそれでいいのか、と思い直す。
それに、興味優先で動いて迷子になりかけた手前無計画さどうこうで物を言える立場でもない。人のふり見て、ではないが改めてこれから自分も気を付けよう、とクレールは密かに反省した。
「いくつかギルド依頼こなせば食費くらい何とかなると思ったんだけどよ、腹が減ってそれどころじゃなくなってな」
とのテオの言葉に聞き慣れない単語が入り、クレールの頭に疑問符が浮かぶ。
「ギルド依頼、というのは何だろうか」
「ああ、お前一年目、っていうか一日目だし知らねえか。
ギルドっていうのはあれだ、同じ職の人間同士が作ってる寄り合いみたいなもんで、討伐ギルドとか魔術師ギルドとか芸術家ギルドとか、いろいろ種類があるんだけどよ。
そのギルドが、学園生向けに金稼ぎの仕事を回してくれるんだ。そいつがギルド依頼ってやつ。正式には『学園生向けギルド依頼』、だったっけかな」
つまり、ギルドという職業組合が学園生に簡易な仕事を斡旋する仕組みが『学園生向けギルド依頼』、ということらしい。理解したクレールはなるほど、と頷く。
「それで学費や寮費を稼ぐことも出来る訳か」
「金がねえ奴はそうしてるな。まあ、金稼ぎ以外にも、将来の勤め先になるかもしれねえところに顔売っとくとか、そういうのもあるみてえだけど」
王立学園は金銭面での敷居が低いものの、全くのタダで授業を受けられるわけではない。学費や寮費などで、一定の金額は必ず支払う必要がある。
親が学園に住んでいたり資金補助があれば金銭面の問題は然程ないのだろうが、そういった学園生だけが全てではないだろう。
かといって、金銭を得る手段の無い人間は学園で学ぶ資格も無い、となれば黒の王国の国是が揺らいでしまう。故に、学園生が一定の金銭を得るための仕組みがあるのだろう。
ちなみに、身元や保護者が存在せず金銭を得辛い立場にある異界人は、黒の王国の法律によって学園から一定の生活援助がなされることとなっており、学費や寮費の面で優遇されている。
とはいえ、金銭はあって困るものではない。世話になった人々に恩を返す為にも、金を稼ぐのは悪い手段ではないだろう。クレールはそう思い、テオに問う。
「そのギルド依頼は、受けるために何か制限のようなものはあるのだろうか」
「仕事受けるだけなら、学園生ってだけで大丈夫だ。ただ、依頼にも難度とかがあってよ、仕事によっちゃあ力不足って判断されて蹴られるのもある。危ねえ魔獣を倒さなきゃならねえとか、専門的な技術とかが要るような仕事とかな。
……お、なんだよクレール、お前もギルド依頼受けんのか?」
「興味が湧いた。どんなものか気にはなっているところだ」
クレールが素直にそう言うと、テオは表情明るくにかっと笑い「なら、俺と行くか?」と問うた。思わぬ申し出にクレールは瞠目する。
「ちょうど腹も膨れたしよ、礼ついでに依頼の受け方とか、いろいろ教えられるぜ。なんなら依頼も手伝ってやる」
「いいのか?」
「おうよ! メシ奢ってくれたしな! 遠慮なく頼れ、どんとこいだ!」
胸板を拳でどんと叩いて、テオは堂々と言う。こういうことを期待して驕ったわけではないのだが、わざわざ案内をしてくれるというのを断る理由もない。ならばとクレールはテオの言葉に小さく頷く。
「では、遠慮なく頼らせてもらおう」
「よっしゃ、そうと決まりゃあ善は急げだ! いくぜクレール!」
言って長物を引っ掴み、テオは勢いよく立ち上がった。その様子に「威勢が良いな」と呟いて、クレールも腰を上げる。
「おう、これだけが取り柄だからな!」
「……自分でそれを言うか」
「事実だからしゃーねーよ! おら行くぞ!」
そうして灰髪と赤毛の少年二人は歩き出す。
その後姿を横目で見ていたスープ屋台の店主は眩しげに、しかし呆れを表すようにひとつ、鼻で笑った。
●
課題その一の六、環境属性の魔法について。
環境属性魔法とは、空間そのものに対して何らかの性質・影響を与える魔法である。
ごく簡易的な説明をすれば、『ある空間において目に見えない形で何らかの物理的影響を及ぼす魔法』。六属性の中でも極めて特殊であり、大抵の魔法は物体・運動・現象属性の内のどれかを併せ持っている。
現象魔法に比べればその判断基準は幾分か明瞭であるが、その解釈が複雑かつ難解であることでも知られており、環境属性を得手としている魔法巧者でも自身が何の魔法を扱えるのか、その全容を把握できていないことが多い。
気圧や温度、重力場、電磁場などに影響を与える魔法が代表的だが、性質上効果範囲の絞ることが難しいために日常生活では滅多に使用されない。
時間操作、という伝説染みた魔法も存在するが、物質創成と同様にその実現は不可能であると目されている。
代表的な例としては、雨乞い魔法が挙げられる。
気圧や気温、湿度に影響を与え続けることで、局所的に雨を呼び込みやすい環境を整える魔法である。
気象に対して明確な影響を与える為には最低でも十人以上の魔法使いが数日がかりで術式に取り組む必要があり、仮に雨を呼び込めたとしても長時間の降雨は望めないという、取扱いに難がある魔法。
しかしながら、干ばつが起こり易い地域では一時凌ぎの策として用いられることがある。
◇
討伐ギルドの王立学園支部は、東門通りの通り沿いにあった。白塗りの壁と黒檀の窓枠が目を引く左右対称の木造二階建は、一見シンプルながらも白と黒のコントラストが目を引く。
各職業ギルドの学園支部は、街の東側に固まっているようであった。テオ曰く「外から来る人間も結構ギルドに用があることが多い」らしく、街の正面玄関たる東門に居を構える方が都合が良いのだそうだ。
「他のギルド支部が近いっつってもよ、俺が案内できんのは普段使ってる討伐ギルドんとこだけだからな。その辺は勘弁してくれよ?」
「ああ、贅沢を言うつもりは無い。他のギルドは後で自分の足で見に行くことにする」
そんな話をしつつクレールは白塗り黒枠の扉を開け、テオと共に討伐ギルドの学園支部へと足を踏み入れる。
建屋の中は明るい色の木材が基調となっていた。『旅烏の梢亭』酒場スペースの二倍ほど広さがあるその空間には、奥に三つほど受付のカウンターテーブルが並んでおり、その右奥に階段が見える。
部屋の中央部にはいくつかコルクボードが立ち並んでおり、そこにはそれぞれ何枚もの紙がピン止めで貼り付けられていた。学生らしき何人かが、貼り出された紙を眺めている。
「一階は学園生向けフロアになってんだ。あそこの依頼板に貼ってある依頼なら、基本なんでも受けられる。この階のやつだけな」
「なるほど。さっそく見に行っても?」
「構わねえぜ。というか、そのために来たんだろ?」
テオの言葉を受けてコルクボードのひとつへと近づいたクレールは、貼られている依頼の紙を順番に見ていく。
討伐ギルドの依頼だけあって、『街郊外に発生した魔獣の討伐』や『大量発生した鼠の魔獣の駆除』などといった魔獣討伐の依頼が並んでいる。
中には『実験魔獣の戦闘試験』などという、学園的でありながらもやや危険な香りのする依頼も見受けられた。その一つ一つをじっくりと、クレールは読んでいく。
その中でふと彼の目に留まったのは、『村に雨を呼んでください』と題された依頼の紙であった。所謂『雨乞い』の依頼である。
雨乞い魔法は、環境魔法という枠の中では比較的有名なものである。十全な効果を見込むには十人単位の術者が必要となるため、少々使い勝手の悪い魔法として知られている。
その雨乞い魔法を使って雨を降らせてほしい、というのが依頼内容であるが、ここで一つクレールの頭の上に疑問符が浮かぶ。
「これは、討伐ギルドの依頼に入るのか?」
「雨乞いかぁ……門外っちゃあ門外だな。ただ、討伐ギルドってのは半分便利屋みてえに扱われてたりするんだ。だからこういう依頼もあるにはある」
「便利屋……仕事を選ばない、ということか?」
「選ばない、っつうか出来そうなことはやるってだけだ。もちろん出来ねえことの方が多いし、本業の奴が居ればそっちに頼む方が確実は確実だぜ?
ただ、魔獣討伐って仕事柄、討伐ギルドの連中は腰が軽くて足が速えからよ。その点を頼って色んなこと頼んでくる人間はちょくちょく居るな」
「ギルドの性質として機敏さがあるから、様々な仕事を引き受けると、そういうことか」
「あー、機敏って言葉はちと違えような気がすんな。あれだよ、魔獣を倒すにゃあ外に出なきゃ始まらねえだろ? だから速い足は持ってて当然なんだけどよ、メインの依頼のついでに出来ることやって小金稼いどこうぜみたいな文化が昔っから討伐屋にはあってな。その延長線ってやつだ。
雨乞いなんかは頭数の要る魔法だけどよ、そこそこ環境魔法の得意な奴が二、三人いれば何とか使えはするからな。でかいヤマがこの村の近くであったりしたら、誰かが受けるんじゃねえかな」
なるほど、とクレールは頷く。魔獣討伐を生業としている人の所謂『副業』の広さゆえに、多様な依頼が舞い込んでくると、そういうことであるらしかった。
納得した様子のクレールに、テオは怪訝な眼差しを送っている。
「……言っとくけどそんな依頼受けられねえぞ。俺環境魔法苦手だし、そもそもそんなホイホイ頭数揃わねえだろうしよ」
「いや、僕も受けるつもりは無い。少し気になっただけだ」
「ならいいや。お前にとっちゃ初めての依頼なんだしよ、もうちょい簡単なやつ行っとこうぜ」
言いながら二人はまた、それぞれコルクボードを眺め始める。それから程なく、テオがひとつの依頼を指差して声を上げた。
「ん、これなんか良さげじゃねえかな」
「『森の庭の異常調査』。……森の庭というと、南門を出た先にある場所のことか」
「そうそう、学園生の戦闘訓練場な。まあ、訓練場っつっても一個の森丸々が敷地だからな、中はめちゃめちゃに広い。管理も中々大変らしいぜ。特に、こういうことが起きた日にゃあよ」
テオのその言葉に促されるように、クレールは依頼の紙を読み込んでいく。
――先日より、王立学園南の訓練場『森の庭』において、未確認の魔獣の目撃情報が多数寄せられている。学園の訓練授業ならびに学園生諸氏の自主訓練における一定の安全性を確保する為、当該訓練場において集団での調査を依頼したい――
「未確認の魔獣、か」
「森の庭に出る魔獣ってのはたかが知れてるからな。そん中で見たことねえのが出てきたら驚くだろ。それがやべえのだったら危険だしな」
「だから集団で調査をする、ということか」
クレールは話しつつも、依頼文を淡々と目で追っていく。
――目撃されている未確認の魔獣は以下の二種類。一、長い腕部と灰色の体毛を持つ猿の魔獣 二、腹部や脚を含む全身に黒い体毛を持つ狼の魔獣――
と、その文言を目にした瞬間、クレールの動きが止まった。
「……狼の魔獣というのは、然程珍しくはないと思うんだが」
「ん? まあ狼自体は珍しくねえけど。全身真っ黒い体毛の奴がいるってのは聞いたことねえな。少なくとも、森の庭じゃあよ」
「そう、なのか?」
「庭原生の狼はだいたい茶色いからな。それに、脚とか腹まで全部黒ってのは、普通の狼の中でも珍しいんじゃねえかな。……それがどうかしたか?」
テオに問われ、クレールは呟くように「見たことがあるんだ。この黒い狼の魔獣を」と漏らした。
「はあ、見たことあるって、どっか別のところでか?」
「いや、森の庭の中でだ」
「は? いやいやいや、お前昨日学園に編入したばっかなんだろ? どうやったら見れんだよそれ」
クレールは、テオの疑問に答えるように、昨日のことをおおまかに話していく。
記憶を失った状態で森の中に倒れていたこと。黒い狼との遭遇。リナやミシュリーヌとの邂逅。学園に編入することになった経緯。
それらをクレールが簡潔に話し終えると、テオは開口一番に驚きを示した。
「ていうかお前、異界人だったのか!?」
「ああ。私的な記憶の一切が欠けているから、間違いなく自分が異界人だと言い切れるわけではないが」
「話聞いてる限りじゃあ間違いなく異界人だろ。へー、そうか、クレールがなぁ」
テオから興味を寄せられまじまじと見つめられたクレールは「そんなに珍しいものか?」と問う。それに対し「や、ひょっとしてお前も凄い奴なんかな、と思って」とテオが返した。
はて、何が凄いのだろうかとクレールは考える。異界人という存在は確かに数が少なく珍しいことは珍しいのだろうが、それが即ち凄い人物となるかと言えば、少し疑問である。それに、『お前も』という表現も気になる所であった。
クレールは頭を傾げ「いや、別に凄くはないと思うが」と返すと、テオは「ああ、なんつうか、深い意味はねえんだけどよ」と頭を掻く。
「俺らの年代に結構有名な奴が居てよ、異界人って聞いたらそいつの印象が強くってな。勝手に凄えやつなんかなって思い込んじまって」
「ほう、そんなに凄い人がいるのか」
「お前もこの先、耳にすることはあると思うぜ。アンブル、って名前の女なんだけどよ」
そこで再び、クレールの動きが見事にぴたりと固まる。
「……………ひょっとして、騎士科のか? 金髪で、琥珀色の瞳をした」
「なんだよ知ってんじゃねえか、ってそれこそなんで知ってんだよ!? 有名っつっても学園の中だけの話だぞ?」
「いや、その……たまたま縁があって」
クレールは、テオに騎士科の一件を話すことにした。語り聞かせるのはキトリーに続き二人目だったこともあり、説明は慣れたものである。
道に迷い、剣を追い掛け、アンブルと遭遇したその経緯をひとしきり話し終えたクレール。その時彼を眼前にあったのは、多分に同情を含むテオの引き攣った表情であった。
「……お前、あれだな、いろいろ大変だったんだな。それなのに奢らせちまってなんか申し訳ねえわ」
「そこは別に気にしなくてもいい。大変だったことは否定しないが」
「というか、お前の二日間密度濃過ぎだろ。ちょっと引くぐらいてんこ盛りじゃねえか。それでギルド依頼なんか受けて大丈夫なのか?」
心配そうに尋ねるテオに、クレールは大きな首肯で返す。疲れが無いと言えば嘘になるが、だからといって一度ゆっくり休もうという気にはならなかった。
「そこは別腹というやつだ。ギルド依頼というものには興味が湧いているし、黒い狼のことも気になる」
森の庭で目が覚めて一番初めに遭遇した生物のことを、クレールは鮮明に覚えていた。
怖気が奔るほどに冷たい眼差しを向けていた、黒狼。あの魔獣は何故、森の庭にやってきたのか。精悍で静謐なあの黒曜の瞳を思い浮かべたクレールは――――
――――知らなければならない、と。突如として衝動的に、その想いが湧き上がるのを感じた。
興味や好奇心よりもそれは強い感覚。あの黒の狼と再びまみえなければならない。内なる何かに突き動かされるように、クレールは情動を揺さぶられる。
今、一体何が起きたのか。突然の心の動きにクレールは戸惑いを見せる。しかしながらその動揺は表に現れる程のものではなかった。
――――そんなものよりも、湧き上がった黒狼への感情の方が、何倍も何倍も強く、大きいもののように思えて。
故にクレールの心中からは、『依頼を受けない』という選択肢が完全に廃されていた。
目力強く視線を送るクレールの様子に「そこまで言うなら、大丈夫か」とテオは納得したように声を上げ。
「調査任務自体は大したことねえだろうし、依頼書見る限りお仲間も結構いそうだから危なくもねえしな。いっちょこの依頼、受けてみるか?」
「是非とも」
「んじゃあ決まりだな。さっさと依頼登録しに行くか!」
テオの言葉に、クレールは大きく頷いた。
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