テイル

　昨今、異世界ファンタジーに現実のリアリティを織り込み、そのおかしみを強調した作品が流行しているように思う。 　「境界の扉」は同じ流れを汲みながら、別の視点からアプローチした作品だ…続きを読む

　なぜならその人は美しさの原理と、そこに至る道筋を知っているからです。そして美しさを蔑ろにして楽をする（悲しいことに世界の大多数を占めている）人々を切って捨てる思い切りのよさがある…続きを読む

　武器といえば剣、旅をしながら戦うのは冒険者、冒険者をまとめるのはギルド……そんな「当たり前」に切り込んだエッセイです。 　定番のイベントやアイテムは、ネット小説としては便利なも…続きを読む

　なかなかおそろしいキャッチコピーですが、10万文字もの小説を書き上げたコンテスト応募者ならば十分に耐えられる内容だと思います。 　むしろ創作に取り組む姿勢を見つめ直す良い機会にな…続きを読む

　記憶を失った少年を通して世界を克明に描き出していくファンタジー。博識でいて経験に乏しく、古めかしい語り口なのにとぼけている、そんな愛嬌のある主人公を暖かく見守りたくなる。 　練り…続きを読む

　三部からなる長編だが、根幹にあるのは悲恋だと思う。しかし救いのない悲劇ではなく、その果てに希望と未来が感じられた。 　ファンタジーや恋愛といったカテゴリに収まりきれない、壮大にし…続きを読む

　少し登場人物の言動が幼い気がする、と思ったが、ついこの間まで中学生だった子が主人公なのだと思うと、むしろ腑に落ちる。無邪気な子供と思春期の中間くらいという空気感に郷愁を誘われた。…続きを読む

　魔法と剣、姫と騎士、滅びた国への旅――――ファンタジーが好きなら、ときめくなという方が無理と言うもの。 　それでいて設定の要所にスパイスが効いていて、王道なのに新鮮さを感じた。 …続きを読む

　どの登場人物も素直でなかったり、ひねくれていたり、なにかを隠していたりする。それがおかしくて、親しみを感じさせた。ちょっと不思議な領分に片足を踏み込んだ世界観は、古めかしく軽妙な…続きを読む