姫と騎士による《霧》を倒すための巡礼。

 魔法と剣、姫と騎士、滅びた国への旅――――ファンタジーが好きなら、ときめくなという方が無理と言うもの。
 それでいて設定の要所にスパイスが効いていて、王道なのに新鮮さを感じた。

 そしてなにより人物の心情や仕草が細かく描かれ、彼らの動きや感情が目に浮かぶ。
 設定やキャラクター性だけでは表現できない、生きた物語がここにある。
 旅立つ二人の儀式を行うシーンは必見。