概要
そんな時代に翻弄された少女と、悪魔の様な女が紡ぎ出す物語。
……この物語は現代ドラマなのか、ホラーなのか、それを決めるのは読者次第。
注意:
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!情報社会に生きるすべての人に突きつけられる鏡
現代社会の中心にある「情報の危うさ」を真正面から描いた作品。
現実と虚構の境界を揺さぶるような展開がつづき、読んでいるうちに自分自身もその渦中にいるような感覚を味わえます。
なかでも、玲子に「情報を支配すること」を叩き込むオリビアの存在感は圧倒的で、彼女の言葉ひとつひとつが読者への鋭い警鐘となっています。
社会批評としての重みを持ちながら、物語はミステリー仕立てで進むので、堅苦しさはなく、時にはクスッとする場面もあり最後まで飽きさせません。
読み終えた後には強い余韻が残り、「情報社会をどう生きるか」という問いが自然と胸に浮かびます。
挑戦的な内容でありながら、多くの人にぜひ読んでもらいたい良…続きを読む - ★★★ Excellent!!!情報操作という名の悪魔
実体があるようでない、常に形を変え、真実か虚構なのかすら不透明な『情報』に焦点を当てた作品。
読んでいる画面に蛍光ペンでライン引きたくなるくらい、実用的な洞察に満ちていました。
この作品の恐ろしさは、描かれている手法が現実的すぎることです。
SNSの注釈機能を悪用した情報操作、攻撃的な人々を扇動する心理テクニック、メディアリテラシーの欠如を突く戦略。
どれも「確かにこんなことが起きているかもしれない」と思わせるリアリティがありました……いや、実際に起きてます。
主人公の冷徹な分析力と、それを淡々と実行し、非人間的な視点が、逆に人間の心理の脆さを浮き彫りにしています。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!カクヨムがこれをどうして話題にしないのかが不思議な位
14歳の少女玲子が"叔母"のオリビアに引き取られ、情報社会の本質を学ぶ過程を描いた物語である。
この物語を読むにあたり、オリビアが玲子に繰り返し教え込んだ
「賢者」
「愚者」
「扇動される者」
この分類、また、垂れ流されている情報をどのように扱うか、与えられた情報を鵜呑みにせず、自分で調べられる限り調べることの大切を私たちも大切にしなくてはならないと強く思わされる。これは日常のどのような場面であったとしても、だ。
オリビアはインフルエンサーの手法や、信者を作る方法を通じて、人々がどう情報に操られ、人生を変えていくのかを考察する。最終的にオリビアは玲子に「本物の悪魔」を見せる。
こ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ネットの海を泳ぐものたちのための闇のバイブル
本作は主人公玲子と、玲子の叔母を名乗るオリビアとの会話を中心にストーリーが進む。
「情報を扱う技術」を玲子に教えるオリビア。
その教育のテーマは「情報の悪魔」だった。
そもそも情報の悪魔とはいったい何なのか、存在するならその目的はいったい?
読者はそんな風に始めは思うかもしれないが、どんどん読み進めていくとやがて悪魔が……(以下は本編をぜひ)
本作のテーマは、一見難解であるがオリビアの言葉がわかりやすく、よくまとめられていて非常におもしろく読める。
また、オリビアのコスプレやシャンメリーでチキンパーティなどがいい具合に抜け感があり、玲子も生徒として極めて優秀であり、言葉という情報にどんど…続きを読む