13. 2章 エピローグ

「やぁ、玲子。今日も姉さんに似て飛び切りの美人さんだね」

「それはありがとうございます。今日はレースクイーンなんですね」

「可愛いだろう? 基本ショートパンツかショートスカートの所をタイトロングスカートにして、深めのスリットを入れているのがアピールポイントさ。ちなみにこのスカートの下は……おっとこれ以上は言えないね」

「興味が無いので大丈夫です」


 先日受けたカミングアウト。この目の前の女性、オリビアは私の叔母では無かった。

 けれどだからと言ってどうもしないし、そもそもどうする事も出来ない。

 どうやったのかは知らないが書類上は正式に私の叔母であるし、今では名実ともに私の養母なのだ。警察か何かに『この人は私となんの血縁もない赤の他人なんです!』などと訴えた所で、どうにかなるとは思えない。

 それに、私にはこの正体不明の女性以外頼れる当てが無いのだ。もし何かしらの方法でオリビアとの養子縁組が解消されたとして、現状より環境が良くなる補償などない。

 その為、カミングアウトを受けた日以降もこの奇妙な関係性と日常は続いている。


「そういえばオリビアは何時まで日本に居る気なんですか?」

「ん? そうだね、基本的には今後の玲子次第とは考えているけど、少なくとも改憲と諸々の義務化が起きる前には出るつもりだよ」

「……私次第?」

「そこはまだ詳しく言えないね。いずれ時が来たら話すさ」


 こうなったオリビアはいくら聞いても答えてはくれない。それを知っている私は早々に話を切り替えた。


「それじゃあ、こっちには答えて下さい。今回の授業で私は悪魔のやり口を知りました。それで、次はどんな授業をやるつもりなんですか? こっちは赤の他人との同居を余儀なくされている上で、更に謎の教育まで受けて気が気じゃないんですけど」

「赤の他人だなんて悲しい事を言わないでくれよ。私達は親子じゃないか……少なくとも紙面上わね」

「その紙面が出来上がるまでの過程が問題だらけなんですけどね」


 私の辛辣な言葉を受けて、わざとらしくガックリと肩を落とすオリビア。

 そんなオリビアはすぐに顔を上げてニタリを笑い、次の教育内容を伝える。


「次の教育内容は、お待ちかねの『悪魔になる方法』さ」


 オリビアのその言葉を聞いた時……私は胸の高鳴りを押さえる事が出来なかった。



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これにて第2章『悪魔の集う場所』の完結です。


明日からは特別企画『教えて、オリビア先生』を数日掛けて公開し、その後に第3章『優越感の悪魔』へと入っていきます。

『教えて、オリビア先生』は本編で詳しく説明すると読みづらくなってしまう為省いた内容について、詳しく解説する企画となっております。

内容が少し難しく、尚且つ本編とは何の関係もない企画ですので、タイトルを見て気になった人だけ読んで頂けたら幸いです!


本編公開まで少し間を開けさせて頂きますが、今後ともお付き合いの程よろしくお願い致します( ⸝⸝•ᴗ•⸝⸝ )


ここまで読んでもし面白いと思って頂けましたら、★やフォロー等で応援して頂けますと大変励みになりますので、何卒応援の程よろしくお願い致します。

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