このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(202文字)
事実も真実も必要の前に捻じ曲げるのが、悪魔の力と人の意志。心弱い人々は最初と最後だけ目にして納得するのがいい。各章全体に短いので、軽く通して読んで戻るのもいいと思う。犯人探しをするような展開でないのは気が楽でいい。
こういうのを読むと、改めて情報という物の怖さと強さを実感します。匿名故の驕りや油断……それを失った時の脆弱さ……、不気味さと恐ろしさ、両方を味わえるお話でした!(^_^;)
前作で不登校気味の女子中学生がVRMMOの世界で努力して強くなっていくと言う、どちらかというと優しい世界を書かれた作者さんの新作は、うって変わって少し不気味な雰囲気を漂わせています。情報は使い方によって人を傷つけることもある。でも身を守るために使い方を知っておかねばならない。それは現在の世界に生きる我々にとっても他人事ではありません。そうした世界で主人公がどういう選択をし、どう成長していくのか、今後の展開が楽しみです。
誰でも情報を簡単に得られるし、発信できる。そんな現在を生きる可憐な少女とお姉さんの物語です。 現在の日本では、子供から大人まで誰でもインターネットに触れることができます。 だからこそ、そこで得られる『情報』が本当に正しいものなのか。『情報』を発信することによって誰かを傷つけていないかを考えさせられます。 「深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているのだ」と言うように、この物語を読んでいるときに『情報』という名の悪魔は、もしかしたらすぐ目の前にいるのかもしれませんね……。