概要
祐介、竹史そして容子。三人の高校生が平成初期を駆け抜ける。
『イソヒヨドリの町で』三部作の最終部です。祐介と竹史、容子の出会いと高校時代が中心の物語となります。最終話の「おまけ」を除き、本作単体でも読めるようになっています。
﨑里裕佳子の両親、﨑里祐介と高原容子、それに川野章の父、小嗣竹史は高校の同級生でした。三人とも弓道部に入部し、めきめきと実力をつけていきます。おせっかいなほど世話好きで陽気な祐介、無愛想で無口な竹史、勝ち気でまっすぐなのにどこか脆さのある容子。三人は弓道に打ち込みつつ、その後の生きざまに大きな影響を及ぼすいくつもの体験をしながら、平成初期を駆け抜けていきます。
「おまけ」の【山の端の月】の「君」は『イソヒヨドリの町で』のあの人です。
﨑里裕佳子の両親、﨑里祐介と高原容子、それに川野章の父、小嗣竹史は高校の同級生でした。三人とも弓道部に入部し、めきめきと実力をつけていきます。おせっかいなほど世話好きで陽気な祐介、無愛想で無口な竹史、勝ち気でまっすぐなのにどこか脆さのある容子。三人は弓道に打ち込みつつ、その後の生きざまに大きな影響を及ぼすいくつもの体験をしながら、平成初期を駆け抜けていきます。
「おまけ」の【山の端の月】の「君」は『イソヒヨドリの町で』のあの人です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ひとこと紹介がすごい難しい。でも読んでほしい。
これは、どんな風に読めば良いのか迷うかもしれません。
「イソヒヨドリ」「ハクセキレイ」を読んでいれば、この物語の人物たちがどのような生活をして、人生を辿るのかは知っているはずなのです。だから、最初は「安心してなよ、きっと救いはあるのだから」なんて割と呑気に読み進めていたのですが、甘かったです。
当時のLGBT(そもそもそんな言葉さえなかったはず)の扱いはきっと今とはだいぶん違っていて、優生保護の歴史を辿るような重苦しさがあるのだろうなと思いました。例えば、名前を残すことについても現代の﨑里ちゃんと当時の高原さんとがそれぞれの作品で意見を述べていますが、対話の相手や周囲の反応が違ってる様に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!上質かつ重厚なヒューマンドラマ
高校生達の繊細な感情が、弓道や、恋愛、それから周りを取り巻く人たちを通して、作者様の圧巻の筆力で描かれています。
読みながら、頭に浮かべるもなく目の前にありありと浮かぶ、繊細かつ丁寧な情景描写や心情描写もさることながら、私がこの物語で一番惹かれたのは、作者様の人物を作り上げる力だと思います。まるで自分自身がその世界にいてすぐ傍で主人公達の日常を覗き見ているような錯覚を、この物語の世界に浸らせている間、ずっと起こしていました。それが心地よく、時に痛く、人を愛するとは、愛されるとは何なのか、と深く考えさせられる物語でした。
きっと私は、書籍として店頭で並んでいたとしても、躊躇うことなく手に取…続きを読む