概要
心の洞を満たす
本作は、イソヒヨドリシリーズの『ハシボソガラス』から「蛇足(番外編) 山の端の月」を短編として抜粋したものです。短編としてお読みになれます。
ご興味を持たれましたら、『イソヒヨドリの町で』および『ハクセキレイ』をお読みいただければ嬉しいです。
ご興味を持たれましたら、『イソヒヨドリの町で』および『ハクセキレイ』をお読みいただければ嬉しいです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!闇と洞との共鳴、恋うる想いで満ちる調べ
一回り年上の兄をなくしたことで失われてしまった心。木のウロ(洞)として描写するその心の穴を埋めようとする物語。視覚・嗅覚・触覚をはじめとする体感と鋭さや柔らかさを伴った感情とが双方として刺激され、ある種の新しい感覚として研ぎ澄まされる筆致が素晴らしい。
向けられる好意が慈雨のごとく洞に滴り、これまで受けとめた恋恭への至りが洞としての空隙を埋めていく。
しかし、足りない。隙間を埋め切るにはまだ足りないのだ。そんな中、相手の心の深い闇と自身の満たされない心の洞とが共鳴する場面に遭遇する。
まだ風の通る洞にその闇をすぽりと収めてしまえば……
その視覚的に隠れた秀逸なる夢想にいざなわれ、満たされ…続きを読む