53話 おっさんと前世のパラレルワールド

体の中から温かい光に包見込まれた私は徐々に意識が遠のいて行った…

それと同時に繋がれた機器から異音が発生するピーー…

表示がもう危ない事を表す。


『生まれ変われたら、今度はゆったり、自分の為に生きよう…』



「うっ、く、苦し…い…ここは…うっ、知ってる…病院の天井だ」


『私は18歳に転生して、薫や知恵ちゃんとまた出会って付き合って…キャサリンから魔法や光の力をもらって、ダークマターと戦って…キャサリン!助けて!出てきてよ!』


幾らこころの中で叫んでもキャサリンは現れなかった。


『私は痛み止めの影響で夢を観ていたのか…体が痛い…もうダメか…』


「そうだ!どうせ死ぬなら一度試そう…ヒール!」

体が淡い光に包まれ痛みが引いて行く。


「もう一度ヒーール!!」「ヒーール!」


更に淡い光に包まれ細胞レベルで体が活性化され癒される。


異音を発していた医療機器の数値が正常値に変わった。


「助かった!」


異音に気づいた看護師が慌てて部屋に入って来て、私に近づいて来た。


「大丈夫…で、す…」


「大丈夫みたいです」

と看護師ににこりと笑って見せた。


「すぐ先生をお呼びしますので、しばらく安静にしていてください」

看護師はすぐ走り出しナースセンターに向かって行った。

看護師が先生を連れて帰ってくるまで、私は体中に着いていた点滴や機材などのビールを掛けた時全て外れたクダを観ていた。特に息子に入っていたクダは気持ち悪かった。

しばらなくすると主治医の中野先生が来て、私の体を目視で確認してから、

「山田さんをすぐに全て検査だ!」

そう言うと血液検査・CTやMRIなど次々と検査が行われてたが、私の体から悪性腫瘍の痕跡は一ミリも残って無く、逆に健康過ぎるとの事だった。

「とりあえず、あて3から4日様子を見て問題がなければ退院としたしょう」

と主治医の中野さんが言った。

あれから4日間いろんな検査をしたが異常が無く退院の日を迎えた。

病院の前にこじんまりした宝くじ売り場がある。キャサリンは特典で宝くじに当たると言ってたな、早速サーチと鑑定を使い当たりくじがある確認すると、2列目の3段目に年末ジャンボの当たりくじがあるではないか。

『キャサリン特典ありがとう』

これでとりあえず、この世界で行きていけそうだ。

住んでた家とかあるよな。まあ、行ってみるか。


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