29話 おっさんと殺人鬼菅原 4

「何ぶつぶつ独りごと言ってんだ!」


黒い闇をさらに広げたガリアは私に腕をムチにしつ襲いかかって来たが、


すんでのところでうけかわした。


「危ないじゃ無いですかいきなり」


「戦闘に今からいくよーって合図を送るバカがいるかアホ」


今度は左手をチェンソーにして切り掛かってくる。強化した腕でチェンソーを受け止めると、四方八方に火花が散った。


「俺の攻撃を受け止めることが出来る人間がこの地球にいるとはな楽しいぜ」


チェンソーを振り回し電柱やビルの壁、止まっている車など次々に壊しまくったガリア。


小川刑事は離れた場所から2人の異様な戦いぶりを事細かに見ていた。


『なんなんだあの2人は人間じゃねえ。特に黒い影を纏ったモンスター?はもともと人間じゃないな。なんなんだあれは』


「光生命体の使徒様って言うのはこの程度なのかよわすぎる。逃げ回ってばかりじゃないか」


「逃げてる訳じゃありませんよ。私はまだノクナーナル級の強さや戦い方を知らないので少し観察させていただきました」


「大体ノクナーナル級の戦い方が分かりましたよ。この脳筋やろう!」


そう言った後私は左手を輝くライフルに素早くかえ両手と両足、体のど真ん中に一発ずつ打ち込んだが闇の力が強く闇の霧が透けて腕や腹が見える程度だ。


さらに連続で二発ずつ光ビームライフルをさっきの場所に打ち込んだら、流石に今度は腕も足も腹もビームは貫通した。


闇は薄れてそこには撃ち抜かれたモンスターが横たわる。すぐに『浄化』をかけモンスターの姿から菅原の姿に変えて行った。


撃ち抜いた部分はヒールをかけなおしていく。


「どうして俺を助ける、ごほっ…俺は光生命体の敵だそ!」


「怪我をしている人、困った人を助けるのか私の性分なんでね」


「そるに今貴方に死なれたら困るんです。貴方がこれまでに犯して来た犯罪の罪を償っていただきます」


「何を知ってるんだ?」


「証拠は貴方の家の金庫の中に、犯人しか知り得ない情報の日記や凶器が入ってますから」


「…」


「小川刑事大丈夫ですか?歩けますか。とりあえず周りの状況を元に戻しますね」


『キャサリン奴が壊した物を復元して欲しいんだけど出来るよね』


『出来ますよ。ただし善行ポイントを1000ポイントいただきますがいいですか』


1000ポイントでアプリからハイヒールをダウンロード使用と思っていた私は少しダメージを受けたが仕方ない。


『了解よろしくお願いします』


残りの善行ポイントは155ポイントとなった。


『直樹!これからダークマターと戦う時はバリアーを結界代わりに使うとここまで酷くならないと思うよ』


先に教えてよキャサリン!


「どうなってるんだ?壊れた町や車、電柱が元通りになっていくじゃねえか」


小川刑事が真顔で俺に聞いて来た。


「まあ、これも私のマジックですね」


と苦笑いして答えたが反応はイマイチだった」


「それより小川刑事こいつをまず、公務員執行妨害で検挙してください」


「その間に今から言う奴の自宅をガサ入れしてください、奥の部屋の隠し扉の中に金庫があります」


「いろいろ小川刑事の部署に必要な物がでてきますよ必ずです約束します」


小川刑事は近くの交番から警官を2名呼び、119係に連絡し菅原の自宅を家宅捜査した。


奥の隠し扉の中に金庫があり、本人たちあいの元、金庫を開いた。


でるわでるわ119係関連の迷宮事件の犯人しか知らない情報が記載された日記、凶器など動かぬ証拠が沢山出て来た。


菅原は観念し全ての犯罪の手口を暴露して行った。


テレビや新聞、ラジオなどあらゆる媒体がこの菅原の行っていた犯罪を取り上げて視聴率爆上がりだった。


取り調べが忙しく小川刑事はアタルに連絡を中々取れずにいた。


あの日起こった事がなんだったのか気になってしょうがなかった。


それから数日後、菅原を検挙した小川刑事は警視総監賞をいただいたらしいとキャサリンに聞いた。


ついでだが、キャサリンに残りの善行ポイントを使って小川刑事の現場の出来事を出来るだけ多くの記憶を消してもらった。忘れてくれ頼む!

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