30話 おっさんとドーダマドンナ 1

今日は当ホテルに超有名外人ミュージシャンがお泊まりになるそうた。


専属のシェフやサービスマンや警備員など全て先方もちだそうだ。


彼女の名前はドーダマドンナ、セクシーなダンスと歌唱力で世界的に有名な女性ミュージシャンだ。



お泊まりはまちろんインペリアルスイートだ。


私も彼女の曲は好きでよく聞いた事があるし現世でもまだ、現役でワールドツアーやって活躍している有名人だね。


まあ宿泊のお客様は今のところ私には関係ないからね。


「直樹くん最近連勤でごめんね、今日はディナーはスタッフが揃ってるからランチ終わったら上がっていいよ」


と後藤さんから神の声が聞こえた。


そうなんです!今日まで朝食→ランチ→ディナー。

朝食→宴会→ディナーなどあらゆる場所で12連勤中なのです。


なので半休でも嬉しい!何しょうかな…


お金も貯まるばかりで使うところは飲み会のみ。


今流行りのデザイナーズブランドでも買いに栄に行きますか。


市バスに乗り栄で降りて、向かうは東横ハンドアネックス。


ここにデザイナーズブランド略してDCブランドがいっぱい揃ってるんだよ。


ウインドショッピングを楽しみながら、いくつかの店でジャケットやパンツ、シャツなどを買い揃えた。


しかしこのジャケットの肩パッドいかっい。


そうこの時代は男女問わず肩パッド入り。


腹へったなぁ…中途半端な時間だけどなんか食べるか。


とお食事処を探していると、一台のリムジンを遮る様に前と後に車が2台、更に運転席側に一台止まった。


素人が見ても分かるプロの技だ。


それぞれの車の中から3人合計9人がリムジンを取り囲み中に向かいこう言った。


手には本物のマシンガンをそれぞれが持っている。


「いるのはわかっている!車を壊す前に出てこいや、ドーダマドンナ!」


しかし中からはなんの応答も無い。


『ドーダマドンナってホテルの部屋にこもって出てこないって話し聞いたけど…』


本当にドーダマドンナさんが乗っていたらホテルのお客様だからな一応お掃除しときますか。


『転移』『指定範囲結界』


あのガリアの事件以来、周囲の人が中で何が起こっているかわからない様にしながら、周りを守るバリアーをこう命名したのだ。


ただ急に壁ができたみたいで怖いのでもう少し改良しないとなぁ。


私はリムジンのすぐ前に転移し、すぐに車内をサーチしたらなんと本物のドーダマドンナさんがいます。


私はすぐに『転移』を繰り返し9人の外国人を手刀で戦闘不能にし一箇所に集め運転席側の車を力技で後にずらした。


リムジンの出口を確保するのに10秒も要していなかった。


リムジンの運転手にGO!のサインをだす。


しかし一向に動く気配が無いので、先に3台の車の運転手も手刀で落ちてもらった。


前後の車も力技で動かし、さらにリムジンのスペースを開ける。


『これで走り去ってくれるたろう』


『…ん…なんで動かないの?』


リムジンの後部助手席側の窓が下がる。

「貴方なにもの?私が誰だか分かった上で助けた感じがしたけど、どうしてかしら」


「はい、リムジンのナンバーから貴方がドーダマドンナさんだと分かり、とりあえずあそこの方々を排除してリムジンの出口を作りました」

咄嗟に嘘をつく。


「余計な真似をしてすいませんでした!」


手刀で眠らせた外国人は全員それぞれの車の中に入れ、車を路肩に3台並べること20秒。


マシンガンはそれぞれの車のトランクに入れてある。


タブレットの公衆電話アプリを使って、中警察署に電話して状況説明して、電話を切る。


『結界解除』  


『転移』


私は元いた場所に転移しそそくさとその場を立ち去った。


スマホや防犯カメラが無い時代でよかっよ、ほんと人助けも大変。


「ちょっと何逃げてんのよ!待ちなさい!」


「無事で何よりです!良い名古屋ライフを楽しんでくださいそれでは失礼します」


「待ちなさい!!」


遠くから大声が聞こえたが気のせいだろう。


『待てと言われ待つバカはいないよ!面倒ごとは極力避けていきましょう。

はいさようなら』


全速力で振り切りました。


とりあえず腹減ったしイバショウのウナギでも食って帰るか。

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