22話 おっさんと披露宴 2
葉山悟と挨拶を交わした私は、奴の目の前を通り越し、リーダーのところへ行き今日の仕事内容を軽く確認した。
『完全記憶 過去の自分の今日の出来事ダイジェスト!』
私の過去の自分の記憶から今日この会場で起こる事を検索し完全把握した。
なるほど、完全記憶でいろいろな出来事を把握した私は、リーダーの指示の元、テーブル席にビアグラス、白赤のワイングラスなどグラス類のセットを任された。
完全記憶からグラス類のセットの位置は全て分かる。
リーダーが一セット見本を作ってくれたので、その見本を真似てセットしていったが、スピードがベテラン勢より早く綺麗な仕上がりだ。
もちろんチップしたグラスや拭き上げの悪いグラスははねて行きましたよ。
ついでに、ナイフ・フォークの位置やナプキンの形が悪いテーブルも直しながらね。
田中さんから
「有田より直樹君の仕事の早さ確実さを聞いてだけど本当になんでもすぐ出来るね」
「見本が良かったから真似しゃすかっただけですよ」
と答えた。
それから、会場の準備を全て整えて、今日の披露宴のミーティングが始まる。
「おはようございます!今から安藤家、神田川家披露宴のミーティングを行います全員こちらに集まって」
と葉山が大声で呼びかけた。
披露宴の流れや注意事項が説明された後、雛壇やマイク担当などそれぞれの今日の仕事が振られて行った。
「山田!お前には今日スポットライトの仕事をしてもらう、詳しくはリーダーに聞いておけ、失敗するなよビデオ撮影にも影響するからな」
葉山は捲し立てて私に言った。
周りはざわっとした、だって何の経験も無い披露宴の流れも知らない人間にいきなりやらす仕事では無い。
あまりの仕事の速さ美しさに葉山は焦ったみたいだね。
前世では、下げ物中心に、お客様より頂いたドリンクオーダーを聞いて回るので精一杯だったけど。
今の私にはいろいろな経験値や転生特典があるから、
「承知しました。スポット係ありがとうございます」
私はしれっと返答した。おっさん舐めんな。
完全記憶で操作方法はもう理解してあたが、一応先輩サービススタッフにいろいろ教えてもらった。
準備完了!いつでもこいおっさんは燃えていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます