45話 おっさんと勅使河原家 3

「しかし、直樹君が本当に優しくて、社交的で強いから安心して依頼が出来そうだ。語学も英語・イタリア語・フランス語など話せるらしいからね」



そう話す勅使河原氏の顔は笑っている。


「そう警戒しなくても大丈夫だよ。今度、綾子が大学の友達とイタリアに旅行に行くんだけど、警備の関係で綾子は行けない話しになってたんだ」


「そうなんですか」


「他の子達も警備を一人ずつ連れて行く中、勅使河原家だけ何人も連れて行く訳に行かないからね」


「今回、直樹君の強さを観てもらい、イタリア旅行の綾子の警備をお願いしたくてね。前前から、綾子やマドンナには直樹君を勧められていたんだが今日はっきりしたよ、君しかいない」


「私は仕事がありますので一日や2日ならなんとかなりましすが、ましてや海外なんで無理です」


「君のホテルの社長と私は師弟関係にあってね、私の言う事には逆らえないんだ。私から事の次第は伝えておくよ」


こんな感じで押し切られ、うちの社長が許可したら、行くと言う事で押し切られた。さすがやり手社長だ。


「うちの社長から許可が出たら、お受けします」

すぐ目の前で電話をして、私のイタリア行きは決まった。


それから一か月後、私はミラノ行きのアリタリー航空のビジネスクラスに座っている。勅使河原さん、友人の野田聖子さん、伊藤順子さんとそれぞれの付き人で、安田美沙子さん、加藤咲希さんと私以外は全員女性だった。


『友人の二人はいいとして、付き人の二人の実力は鑑定しておくか…』


私は二人を鑑定した。


名前 安田美沙子

年齢 26歳

語学 英語・イタリア語・フランス語がネイティブ級

特技 空手2段 剣道2段 狙撃 料理

自衛隊特殊部隊に5年間所属後に野田家の聖子付きボディガードとして三年目。

バスト 〇〇

ウエスト 〇〇

ヒップ 〇〇

責任感の強い女性。

タイプの男性は自分より強い人。

イタリアで美味しいティラミスをたべたい。


名前 加藤咲希

年齢 27歳

語学 英語 イタリア語 スペイン語 ドイツ語ネイティブ級

特技 プロボクサー 柔道2段 合気道2段 薙刀2段 プロゴルファーなど多彩。

アメリカ海軍特殊部隊に5年配属。

伊藤家の順子付きボディガード。

バスト〇〇

ウエスト〇〇

ヒップ〇〇

こちらも責任感の強い人。

好きなタイプだらしない人。

イタリアで美味しいジェラートを食べたい。


『二人とも申し分ない経歴だね』


飛行機に乗る前、特別ラウンジにて我々護衛担当は、顔合わせをして自己紹介をしていた。

「では一番年上と見える私から、加藤咲希27歳伊藤家の順子様の専属ボディガードをしております。イタリア語はネイティブ級なので安心して下さい。また、合気道と柔道など接近戦を得意としております。以上」


「次はわたしですね。安田美沙子26時と申します。野田家の聖子様付きボディガードです。わたしもイタリア語はネイティブ級なので大丈夫です。空手や剣道を得意としてます。以上」


「最後に私は山田直樹と申します。18歳で綾子さんとはホテルの配膳で知り合いました。特に警備の仕事はしたことありませんので、いろいろ教えてください。イタリア語は喋れます」


「貴方は勅使河原家のボディガードでは無くて?」


「はい、違います。綾子さんの荷物持ち的な立ち位置で付いて行きます。警備はお二人がいればなんとかなるでしょう。ははは」


勅使河原家は何を考え体格はいいが戦闘要員でも無さそうな18歳の男の子だけをよこしたねか?と二人は同じ事を考える。この旅の負担が増えた気がする二人だった。


「なんで今回、屋代さんじゃ無く君が綾子様のボディガードなの?正直体格はいいけど、実戦経験がありそうでも無さそうだし…綾子様の彼氏じゃ無いわよね」


「以前私の歓迎会の時に綾子様にも来ていただき、その帰り道に綾子様が暴漢に襲われたのを助けたのが、淳弥さんに気に入られて今回、荷物持ちで参加となりました。お二人には迷惑をかけない様にします」


「まあ、今回の旅のスケジュール的に危ない場所には行かないから我々だけでも大丈夫か」


「向こうではわたくし伊藤家が手配した専属の案内が一人いますしね」

と安田さん伊藤さんはうなずいた。


「それに全員女性だといろいろ面倒だし、若い男子が一人いるだけでもそれはそれでいいかもね」

と二人が話していた。


そして今アリタリー航空のビジネスクラスで全員ミラノへの着陸体制に入る。

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