44話 おっさんと勅使河原家

執事に案内された部屋は先程は趣きの違う和風の茶室の様な部屋だった。


空いた席に私を執事が案内し、着座した。


「どうだった私のワインコレクションは」とお父さんが聞いてきた。


「はい!とても勉強になりました。ホテル東洋銀座の田崎さんを紹介いただきました」


「ほう、彼を紹介したとは直樹君はワインの知識がうちのソムリエ以上なんだね…」


「ナオキならあり得るわね。ほんとの歳はいくつなの?ジャパニーズ忍者君?」

「エージェントは何も言わないか」


「たまたま、熱くワイン談義をしたらそ言いう話しになっただけです」


「ところで、直樹君はうちの娘も助けて、マドンナまで助けてたとはびっくりだが、うちの専属ボディガードの屋代と今から手合わせをしてもらえないか?」


「はあ?私はただの一般人でこれと言って武道を習ったわけではありませんが」


「分かっている。君のことは今日ここへ招くまでいろいろ調べだが、本当に何も無いんだよなぁ。マドンナの言う通り君は政府の組織の人間なのかね」


「私はただの見習いホテルマンです!エージェントや忍者でもなく、政府の組織の人間でもありません、そんな18歳いませんよ」


「悪い悪い、冗談だよ。ただ君のその強さをダニエルから聞いた、うちの屋代がどうしても立ち合いたいって聞かなくてね」


「分かりました。私でよければ」


「ありがとう!屋代が武道館で支度してるから、移動しよう」

とお父さんが席を達みんなで別館に移動した。

屋代さんとは勅使河原家の警備責任者である。自衛隊特殊部隊に長年いた40代の男性らしい。


移動中も私に鋭い視線を送るこの屋敷のボディガードと、マドンナさんのボディガード。


『適当に負けて帰えろうと思って軽い気持ちで受けたが、これは真面目に対応した方がいいなぁ』


武道館の中には、屋代さんと思われる40代の男性がスーツ姿に警棒を持ち、その隣にダニエルさんが同じようにスーツ姿に警棒を持っていた。


『あれ、二体一なの?これ絶対やばいやつでしょ』


「やあ、ナオキ!先日は世話になったね。今日はヤシロがお前と立ち合うって聞いて俺め混ぜてもらったわ、俺ら2人でも大丈夫だよな!」


「ほう、直樹君はダニエルにそこまで言わせる逸材か、これは手合わせが楽しみだ、なぁ綾子」


「はい、お父様。直樹君が絶対2人に勝ちますわ、私は信じております」


勅使河原親子がニコニコしながら私にそう話しかけて来た。


『ここは真剣に受け止めて、2人を相手しよう。ダニエルさんやマドンナさんは私の力を知ってるしね』


「分かりました。2人同時にかかって来ていいですよ」


私がそう言うと、馬鹿にするなと言う顔に屋代さんがなり、ダニエルはニヤけた。


「ヤシキ!気を抜くんじゃないぞ。ナオキはハンパ無く強いのは俺が保証する」


屋代はダニエルニにそこまで言わせる少年に対して驚愕し臨戦体制をとった。

「かかって来ないなら、私から行きます『転移』」

すぐに屋代さんの後ろに転移し、手刀で意識を刈り取り、それを見て警戒を強めたダニエルさんの後ろに転移して、手刀を繰り出したが流石に読まれていたみたいで、間一髪避けられたが、続けての転移には反応出来ず、私の手刀で床に倒れたダニエルさん。


その全てを見ていた、この武道館にいる人は圧倒的な私の強さに呆気にとられ、シーンと静まりかえっていた。


「相変わらず動きすら見えないね、ナオキの戦闘能力はこんなもんじゃ無いんだよね」

とドーダマドンナさんが言うと、


「いや、これでも十分強いし戦闘能力も疑いようがないんだが」

と勅使河原さんのお父さんが言う。


「なら、ここにいる私のボディガードと貴方のボディガード合わせて12人を一斉に彼と戦わせると私の言う意味が分かるわ」


「なら、そうしょう。直樹君それを受けてくれるかな」


「分かりました。受けましょう」


ドーダマドンナさんには裏社会の奴らを一瞬で10名瞬殺したのを見られているしね。


「それでは前180度を我々勅使河原家で、後方をドーダマドンナチームで頼む」


そうお父さんが言うと360度から一斉にボディガードが私に襲いかかって来た。


ダニエルさんや屋代さんには負けるが、皆さん相当の手だれだ。


私は瞬時に全員を『鑑定』し、得意の戦闘方法の情報を得て、括弧撃破し12人を手刀で床に倒した時間はジャスト10秒だった。


勅使河原家の方々は空いた口が塞がらないと言った表情だが、ドーダマドンナさんは一度観ているため、そこまでびっくりはしていない。


「綾子から一人で20人くらいの荒くれ者を相手に瞬殺した話しを聴いていたが、実際に目の前でしかも私とマドンナのボディガード全てが10秒ほどで瞬殺されるところを見るとびっくりしたよ」


「なんでこんなに強い直樹君が無名なんだい?」


「いえ、私はただの見習いホテルマンです」


「ここだけの話ですが、実は私のご先祖さまが、徳川家の草だったらしく、その技の引き継ぎ内容は選ばれた者に託され来ました。現代では私の祖父がら私がそれらを引き継いでいます」


「ですから、ドーダマドンナ様の言うジャパニーズ忍者に当てはまるんです私は」


「ナオキの話しはどこまでほんとか分からないけど、貴方が最高に強いのは確かね、そう思うでしょミスター勅使河原」


「そうだね…目の前でこんなの見せられたら何も言えないね。私のボディガードは選ばれた者達だよ。それをあーも簡単に…」


「しかし、直樹君が本当に優しくて、強いから安心して依頼が出来そうだ」


『依頼?何のこと?』

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