26話 おっさんと殺人鬼菅原 1

今日も10人の占いをおこなったが、10人中9人はいっもの恋愛や会社の悩み相談だった。


鑑定による近い未来に起こる事をさりげなく伝えてあげた。


会社の悩み相談で来た24歳の桐田君は、自分の仕事を全て上司の手柄にされる為、もうその会社を辞めた方がいいかと相談された。


私はすぐに桐田君を鑑定した。


鑑定結果では彼の部所の部長はその上司の不正に気がついていた。


近い内に配置換えがあり桐田君を係長に抜擢し、その後新規プロジェクトを幾つも立ち上げる計画があること。


桐田君はこの会社の取締役まで登る人材と記載されていた。


会社名は…


今は松上電気とあるが、未来では世界中に名を知られるパニソニックである。


「鑑定結果が出ました!」


「どうでしょうか…私の未来は」


「桐田さん、上司の池上さんですが、今週末には人事異動で本社開発部から外れます」


「九州にある工場の倉庫番に転勤になりますから、安心して今の部署で働いてください」


「池上さんの後に貴方を部長が抜擢し、新しいプロジェクトを任されますが、これは貴方が今まで温めていた企画と内容がほぼ一致しているはずです。」


「部長はちゃんと見てますよ桐田さの将来をね」


「上司の名前私言ってませんよね。やはり噂通りの方ですね、来週末には配置換えですか!ありがとうございます!部長が見てくれてるんだ…やる気が出ました」


「ちなみに部長の名前も分かりますか?」


「河内剛毅さんです。年齢は52歳

叩き上げの松上一本の方ですね

趣味はゴルフと部下との飲み会」


「それから部長さん珍しくアイラ産のスコッチウイスキーがお好きな様です、お中元やお歳暮、まあ、今回の抜擢祝いにあげたら喜ぶと思います」


「おぉ!当たってますよ!なんでも分かるんですね。ありがとうございました新規プロジェクト頑張るぞ!」


「どんなウイスキーをあげれば良いですか?私はお酒が詳しくないんで…」


「アードベックの30年これで部長は落ちるはずです」


「ありがとうございます」


そう言うと桐田君は生き生きして帰って行ったてからはお客様も1時間程来なかったので、店じまいの準備をしようと椅子から立とうとしていたら、


「まだお話しさせて頂いていいでしょうか?」

と一人の年配の男性が声をかけて来た。


「私はある老婆から伝言を貴方に伝える様に言われ来ました」


『老婆』の言葉に引っかかる。この男性を『鑑定』してみると、


『鑑定』


名前 菅原浩次

年齢 66歳

詳細 世田谷区一家4人殺人事件・渋谷通り魔5人殺人事件・港区強盗殺人事件の犯人。もろもろ。


人を殺す事を楽しみにしている、また、殺害をした証拠を自宅金庫に保管している。


30年前に老婆よりダークマターの力を得猟奇殺人者となる。

ダークマター1000%

鑑定結果を見た私は周りを巻き込むことを考慮して  


「まだ大丈夫ですがここでは何ですから場所を移しましょう」


彼からただならぬドス黒いオーラを感じた私はそう答えながら、席を立ちビルのひと通りの少ない場所に移動したが、その後にまだ後をつけている例の小川刑事も付いて来ていた。


まぁ何かあったら最悪記憶操作しておくか…そ考えながら私は目的の場所に向かった。

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