19話 おっさんと119係 2

小川正泰、俺は不思議な体験をした。


最近心筋梗塞で病院に通院している。


さっきの胸の痛みも心筋梗塞だと確信し、死を覚悟した。


すると前を通りがかった少年が落ち着く様に背中を摩るといい、背中を摩り出した。


俺は心筋梗塞だ早く誰かに救急車を呼ぶよう頼めと思うが、もう声も出ない。終わった…とおもった。


異変が起こったのは彼が背中を摩り出すと体を温かい光が包み込んでその光は俺の胸の痛みの元へと入って行き、なんと胸の痛みが全く無くなった。


彼にさっきの光は何だと聞くと、

マジックだと笑って答えて来た。


何か探られるのが嫌なのか、

全ての質問の答えが曖昧だった。


私も命の恩人に対し深く追求することをやめ、何かあったら連絡して欲しいと警察の名刺を渡して帰って来た。


その次の日、かかりつけの病院に行き診察を受けて衝撃を受けた。


「不思議ですね…」


「先生何か問題でも…」


「その逆です。進行していた症状が完治しているんです。」


自分でも思っていたが、医師から言われると納得だ。


俺は警視庁捜査一課119係で主任をしている。


119係は事件や事故でも特殊事例を中心に扱う部署だ。


まさに俺は特殊事例を実体験したのだ、事件でも事故でも無いが気になるので、非番の日を中心にちょっと調べるか彼を…


それから非番の日は彼を尾行したが、家に帰ると外へ出て来るのは夜中の占い師の仕事の時だけだ。


どうやら引きこもり生活らしい。


2か月程、非番の日に彼を尾行し監視したが、相変わらず家から一日中出ない日があり、家から出ても占いの館に行って仕事をするの繰り返しだ。


彼を監視してわかった事は、最近占いの仕事が忙しくなって来た事だ。


来店した客にそれとなく聞き込みをすると、占いで人生が変わったらしい友人、家族などから話しを聞いて来店しているようだ。


中にはもうダメだと諦めていた病気の病名を言い当て、これを治療出来る病院の医師の名前まで教えられたらしい。


すがる思いで病院に電話しその医師の予約を取り来院したら、即入院し手術を行い病に打ち勝つたと言う話しだ。


『やはり、ただの占い師じゃ無い』


と俺の思いは深まって行く。

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