18話 おっさんと119係 1

ホテルのレストランでの仕事も、それなりに任せて貰える様になり朝食からディナーまでのブラック勤務がさらに増えた。


ヒールがあるからいいけど、普通は過労死レベルだからね。


でもお客様の喜ぶ顔を見ると疲れが吹き飛びます。


このころ有田さんがビリヤードにはまってて、24時間営業のプールバーに遊びに行くことが増えた。


実は私もこの頃ビリヤードにハマってましたよ。


背中越しに打ったり、腰掛けて打ったり、女性が腰掛けて打っのは見てて目の保養にもなったかな。


今日も朝まで徹夜でビリヤード楽しみますよ!


いつ寝るのかって?


昼休みや、小休憩の時に熟睡ですよ。

若いっていいね。


こんな生活しても大丈夫何だから。

実年齢の私なら即死だね。


久しぶりに占い師の仕事をする為ブースに向かっいると、

休憩用の長椅子に中年男性が苦しみながら、横になっていたので、


「大丈夫ですか?」


と声を掛けたが、返事も出来ない。


頭から顔に向け脂汗が滴り顔色も真っ青だ。


『これはまずい、ヒールを掛けるか』


考えてからまず鑑定をして状況確認をすることにした。


『鑑定』

名前 小川正泰

年齢 35歳

住所 東京都板橋区〇〇〇〇

連絡先 〇〇〇〇〇〇

職業 警視庁捜査一課119係 巡査部長

状態 急性心筋梗塞

ヒールを掛けて症状改善可能

ただ痛みと進行を抑える様にし、救急搬送することをお勧めます。


『こんなに苦しんでる人を痛みを抑えるだけは可哀想だ!ヒールで完治だ』


「大丈夫ですか、今から痛みを和らげます」


「少し体が温かくなりますが、私がさするからです。

ゆっくり呼吸して落ち着いて下さいね」


『ヒール!』


男性の体を淡い光が包み込んでそれから胸の奥に全ての光が入っていった。


男性の顔色はみるみる良くなり脂汗も引いていった。


『良かった!ヒールが効いたようだ』


「落ち着いきましたか、もう大丈夫だと思いますが、こちらの席で少し休んでから帰って下さいね」


「ちょっと待て…ぜぇぜぇ…俺に何をした…」


「苦しそうだったんで背中をさすっただけですよ。もう話せる様になって良かったです」


「さっきのあの体に入って行った光は何だ…ぜぇぜぇ…」


「ああ、あれは私はマジックが得意なんで特殊効果ですので、安心して下さい」


「まあ何でもいい…苦しい何処を助けてくれてありがとうな」


それから彼はお礼がしたいと言うが、警察関係者とはあまり仲良くなりたくなかったので、缶コーヒーを奢ってもらう事で納得して頂いた。


いろいろ探られるのは嫌だからね。


「なんか変な事に巻き込まれたら電話してくれ役にたつと思うから」


と警察の名刺を渡して来た。


私のことを根掘り葉掘り聞いてきたので、このビルの占いの館で占い師をやっている事を伝えて別れた。

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