50話 おっさんとイタリア 5
「この度は私しどものゴタゴタに勅使河原さん野田さんを巻き込みすみませんでした」
と伊藤さんが泣きながら詫びている。
「山田君のおかげで誰ひとり最悪の事態にならず助かりました」
伊藤さんが私にも礼を言う。
「この度のお礼は必ず伊藤家として山田君に行います」
「いえ、私は勅使河原家に雇われたボディガードですから、お礼なんて無用です」
「しかし、君は強いな私しなど一捻りだなぁ」
とまだ服が足りず下着姿の安田さんが私に声をかけて来た。
「私もそう思うわ。その若さであの強さは異常だけど…」
と同じく下着姿の加藤さも声をかけて来た。
2人とも鍛えられた肉体に似合わず大きな胸を揺らしながら私に近よる。
「さっきはほんと助けてくれてありがと。おかげで3人ともはだかを見られて胸を揉まれたくらいで助ったよ」
「9人をほぼ同時に瞬殺するなんて、アメリカの特殊部隊にいた時も見たことないわ」
「どんな技なのかは知らないけど、貴方が私達より強いのは確かね」
「後、とっさに我々が男達に犯されてないか目視と触手で確認したところなんか、夜戦病院の医師みたいだったよ」
私が下着姿の2人にドギマギしているのがわかった2人は、
「ああ、ごめんなさい。私達ははだかを男に見られるのは慣れているの」
「訓練されてるから、君にあそこを触られた時はさすがにびっくりしたが」
「後君は特殊能力者なんだね。古傷まで治してくれてありがと」
「私も古傷まで治してくれてありがとう。勅使河原家の関係者なので極秘事項だろうから誰にも言わないから安心してくれ」
「そうなんですね。私は慣れてないので恥ずかしいです。触られたのはそう言う確認のためだったんですね。
私もあざを治してくれてありがとう。私も誰にも言わないです」
と同じく下着姿のアンジェラが言う。
『記憶操作をキャサリンにお願いしょうと思っていたが、本人たちが内緒にしてくれるなら大丈夫か』
『記憶操作はガサ達が逃亡したことだけにしておくか』
そんな会話をしていると、私がタブレットのアプリから近くの警察署に電話をかけて助けを求めていたが、いま頃パトカーのサイレンが聞こえて来た。
とりあえず、女性の警官に事情を話し私が3人分の服を準備してもらう間に、綾子さん達が事情聴取を軽く受ける時の通訳をしてあげた。
警察官は転がっている男たちが誘拐犯だと、アンジェラが言うと、9人を連行していった。
その後、アンジェラや安藤さん達の事情聴取があったがここは私がと、
アンジェラが全面にたち話しを終わらせて我々はそうそうにローマのホテルに帰って来れた。
ありがとね。アンジェラ!
ホテルに戻った我々はどっと疲れがでたので、私以外全員がすぐに部屋に戻りシャワーを浴びて眠りについた様だ。
『全員無事でよかった』
さすがに私も生命エネルギーを八割方使った為、『ヒール』のみでは体力が回復しない私も少し眠ることにした。
3時間ほど熟睡し時計を見ると18時になっている。
「ああよく寝た、綾子さん達はもう起きたあかな」
「とりあえずこの階も貸し切りだから、ラウンジに行ってみますか」
私はデニムに白いシャツを羽織りラウンジに入って行ったら、女性陣6人が座ってお茶を飲んでいた。
「やっと今日の主役の登場だなあ」
と安田さんが言うと
「直樹君の活躍を祝って今日お昼私達に内緒で行って来たお店に行きましょう」
と綾子さんが言った。
「な、なんで知ってるんですか?私がお昼にオステリアに行ったこと」
「はーい!引っかかりました」
アンジェラが楽しそうに言ってくる。
私は皆んなに騙されたことを悟った。
「一度部屋に帰って着替えて来ます」
そう言って部屋に戻り、デニムからグレーのスラックスに履き替えて、タブレットから公衆電話アプリにて、オステリア・アントニオに電話して7人分の席を確保してもらった。
「お待たせしました。今部屋から予約しておきましたから、時間は19時にしました」
「予約までしてくれてありがとう直樹君!」そう綾子さんが言って、時間を確認する。
「なんと言うオステリアですか?」
とアンジェラが私に店の名前を聞いて来た。
「ああ、店の名前言ってませんでしたね。すみません。オステリア・アントニオです」
「なんでイタリアが初めての山田さんがアントニオをご存知なんですか?」
「アントニオは私達ローマの下町育ちが通っている地元では有名な店ですが、観光客が行く様な場所ではありません」
『アンジェロのお父さんの店ってそんな有名だったんだ』
「そ、そうなんだ。たまたま、ホテルのお客様からローマならここが一番美味いって聞いたので、ただ下町なのでお嬢様方はどうかと思いひとりで食べに行きましたが、
確かに何を食べでも美味しかったです」
「タクシーも呼んでありますから」
そう言って皆んなを急かした。
「でも下町にこんな美女が6人も来たら、大騒ぎになりますね」
「直樹君私達おばさんも美女になるのかな」
と安田さんと加藤さん2人のボディガードがニヤニヤしながら言って来た。
「もちろん、アンジェラさん、安田さん、加藤さんはとびきり美人じゃないですか!」
「「な、な、なんですと!」」
そんな事を言われた事がない2人は顔を赤くし、慌てている。
「こんなに2人をあたふたさせるなんて、山田君はイタリア人の男性以上にやり手だね」
とアンジェラが笑った。
『確かに鼻の曲がりや、顔の切り傷や日焼けでできたシミが無くなった2人は美人だと思う』
19時ちょうどにオステリア・アントニオに着いた私達は予約しておいた厨房近くの席に着いて、それぞれがアンジェラに聞いたお勧めを注文した。
私もアンジェラお勧めの料理を注文して厨房を除くと、アンジェロが気づいてやってきた。
「また来るとは昼に行って帰ったが、こんな美女をたくさん連れてすぐ来るとは?お前何者だ」
「ただの観光客さ、こちらのアンジェラさんは常連さんだから知ってるだろ」
「ああ、アンジェラさんは毎週来てくれる常連さんだ」
「夜のアンティパストのグリルは俺が全部作ったから食べてくれ、じゃあ楽しんで!」
そう言って厨房に帰って行った。
私達はイタリア最後ので夜を楽しんだ。
食事も終わり、アントニオ自家製のリモンチェッロを最後にいただきホテルに帰ったのは10時過ぎだった。
「直樹君アントニオほんとに美味しかったわ」
「ボローニャでもフィレンツェでもベネチアでも結局、直樹の知ってる店や場所が一番良かったわ」
と綾子さんが言うと友人2人にボディガード2人とアンジェラまで頷く。
「いろいろあったけどこんな楽しいイタリア旅行にしてくれてありがとう」
綾子さんが言う。
「では夜明日の支度もあると思いますので、ここで解散しましょう」
友人2人がそう言ってボディガードを連れて部屋に帰って行った。
私は最後の夜だったが、綾子さんはいつもと違って、パジャマ姿でぎゅっと抱きしめてほしいと言って、ベッドで綾子さんが眠るまで抱きしめていた。
綾子さんを寝かしつけて自分の部屋に帰ってキャサリンを呼びだす。
『キャサリン!イタリアでもダークマターが現れたけど、監視を強めてたのに今回のガザは感知出来なかったの』
『ごめんなさい直樹…監視を強めてたのにこんな事になって』
『日本に帰ったら、直樹のボディを強化と、私の生命エネルギーを倍増する事にするから一度宇宙船に来てもらうわ』
『分かった。これからもっと強ダークマターと戦うのに必要だね』
『話しは変わるけど、綾子ちゃんと毎日イチャイチャしてたけど、彼女達に知られたらお仕置きだべ〜』
『ば、バレないよう注意します。お・や・す・みキャサリン』
都合の悪いことは忘れて寝よう。
次の日、朝一番でローマから日本に向けて飛行機は離陸した。
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