35話 おっさんと119係 5

電車を乗り継ぎ家まで帰りつき玄関のドアの鍵を開けて部屋へ入る。


部屋の電気をつけてコンビニで買った弁当を食べてしばらくして布団に入る。


外では警察官が交代で私を見張っている。ご苦労様です。


電気を消して、『転移』で名古屋の自室に戻ってきました。


『キャサリン!』すぐに呼び出した。


『キャサリン!今度は警察庁の陰陽課って部署の賀茂さんて人が来てさ、彼女は闇と光の力を感じるんだって』


『それに警察病院に連れてかれていろいろ検査したよ。この時代の最新の装置でね』


『今回、バリアーを張らずにあれだけ建物なんかを壊して、貴方がビームライフルまで使ったから多少敏感なら分かるでしょうね闇と光の力を』


『ただ、いくら検査しても普通の人間のデータしか出ないけど』


『陰陽道にて多少光と闇の力を見分けても私やダークマターの存在までわかるわけないけど』


『神の使徒が12柱この世界に存在する事を平安時代より前の文献を見せながら聞いて来たよ』


『キャサリンが初めに造った12柱の知的生命体のこと世界的に知られている話しなの?』


『まぁ、世界の主要国の上層部や国家権力者、諜報機関、大きな宗教の教団上層部また、経済界の主な社長やその親族などさまざまな人達が知る話しね』


『それはそうと、貴方が目をつけられて警察に追い回されるのは嫌よね』


『そうなんだよ、小川刑事だけでも厄介なのに陰陽課みたいな訳わからない人達に付け回されるのは嫌だね』


『とりあえず明日はホテルの方が休みだから、朝から六本木警察署に出向いて、出来るだけ早く解放してもらうよ』


『貴方は犯罪者である菅原を捕まえた正義の味方なんだから、シャンと質問に答えればいいのよ』


『分かったよ…まぁなんとかなるでしょう!おやすみキャサリン』

そう言って私はベッドで寝落ちした。


朝7時私にしては朝寝坊である。

いつもは朝食の仕事から入るので、

5時半には起きてるからね。この体になり、『ヒール』の力により睡眠時間は1日2〜3時間で大丈夫?本当に?

今のところ大丈夫である。はず。


さてと、今日は9時から六本木警察署で事情聴取の続きがあるから、8時には『転移』して、向こうの部屋で朝飯食べて電車を乗り継ぎまいりますか。


六本木警察署の受付で小川刑事にアポがある事を伝えて例の部屋に通される。小川刑事、事務官、賀茂さん、もう1人眼鏡をかけた知的な女性がいた。

「山田君紹介するよ、うちの係長の安藤です」


「女優と見間違いがうほど美しい方ですね、小川刑事の上司、綺麗な顔と抜群のスタイル」


「だろう、見た目はな中身は俺と一緒でおっさんだがな」


安藤さんに睨まれる小川刑事。


私はこの美人の醸し出す雰囲気に人物鑑定をする後を忘れてしまった。

これで後から私はある意味追い込まれることになるが、まだ先の話だ。


「119係の係長さんですか、田中アタルといます」」


「挨拶はこれくらいで、時間がない無いので、昨日の話しをもう一度伺いましか」


それから4〜5回同じ質問を違う角度からされるが、IQ200の私とキャサリンがついているので、話しの矛盾は一切無い。


「こんなにも完璧な回答をする人は初めてです、どんな角度から聴いたとしても矛盾がありません」


「貴方の正当防衛は成立しました。 また、菅原検挙には感謝します。ありがとうございました」


「あのお願いがありまさす。今回の件に私が関与した事はマスコミには言わないで欲しいです」


「こんな事で有名になると迷惑なんで、よろしくお願いします」 


「捜査協力して頂き、また、119関係の案件も多数解決できました」


「何か警視総監賞でも準備しておりましたが、目立っ事がお嫌いでしたら、簡易的でもいいので受賞いただきたいです」


「分かりました。善処いたします」

私は口説き落とされ本日、警視総監証を受賞した。


なんか簡単に捜査協力をした事にしていいねなだろうか。


そしてその日の午後3時頃から、警視総監賞の授与式が行われた。

偉い方がたくさんいたが、全て

「ありがとうございます」

の一言で逃げ切ったよ。


授与式が終わり、私に賀茂さんが声をかけて来た。


「占い師アタルさんは本当に、未来予知や過去の出来事がわかるのですね」


「私の部署の者に行かせましたが、全員過去の誰にも相談してない悩みや、近い未来の出来事が全てアタルと言っておりました」


「貴方は本当に12柱のひとりではございませんか?」


「何度もいいますが、私はただの占い師アタルです」


「たまたま、賀茂さんの部署の方がアタったと信じて頂ければそれで占いは成立ですから」


「一度私も占いって頂きたい事がありますので、お店に伺いますね」


と賀茂さんと話し終えた私は六本木警察署を後にした。

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