第13話 おっさんと東京 1

水野さんを家まで送ってから私も家に帰り着く。


ランマル70をアイテムボックスにしまい、私はすぐに自分の部屋のベッドに横になって『OKキャサリン』でキャサリンを呼び出した。


ちなみに今のキャサリンはスケスケのレースを羽織っている。


キャサリンに今日の自分の不甲斐なさを話しどうすべきか意見を求めると、


「もう少しこの体の使い方を学んだ方がいいわ」


「今度の休みの日に宇宙船内にあるトレーニングセンターでダミー相手に格闘技のシュミレーションをしましょう」


「それはいいね。ありがとうキャサリンまた、あの宇宙船に行けるんだ」


「ところでキャサリン人物鑑定ってなんか占いとかにも使えそうだね」


「ええ、過去に権力者の側で人物鑑定をしていた末裔もいたし、鑑定で国を動かす時もあったし、潰す時も…その力を使う人次第で世界はかわるのよ」


「貴方はその人の未来も過去も鑑定出来るから占い師も面白いかもね。でも全てのことを伝えても人は幸せにならない事は覚えておいてね」


「分かるよ、人は自分に都合の良い事しか信じないからね」


『占い師か、やるんだったらメンが割れやすい名古屋より東京だな』


「キャサリン東京で一度チャレンジしてみようと思う。今から場所探しに行ってくるよ」


「まだ、転移とか慣れて無いから、タブレットのマップアプリで調べてから転移してね」


「ちょっと今から東京に転移して良さそうな場所探して来るから」


タブレットのマップアプリから東京を開きこの時代は六本木辺りがいいか…

この時間でも賑やかな六本木のひと気の無いトイレの中をアプリで探し

『転移』して街の中へ出た。


『こんな時間でも名古屋の昼間くらい人がいる』


ぶらぶらしながら歩いていると、占いの館と看板がでているビルが目に入ったのでビルの中へと入って行った。


『へえ、いろんな占い師がいるんだなぁ』

水晶、四柱推命、手相、顔相、前世占いなどいろんな占い師が居た。


その一角に空いたスペースがあり占い師を募集する広告が出ていたので、直ぐにタブレットの公衆電話アプリから広告主に電話をかけた。


「お電話ありがとうございます!集英不動産です」


「第二六本木集英ビルの占いスペースをお借りしたくて夜分遅くに電話しました鈴木と申します」


「ああ、広告を見てご連絡頂いたんですね。事務所はこのビルの4階にあるので今下にいらっしゃるならお越しください」


直ぐにエレベーターで4階の集英不動産の事務所に話しを聞きに行くことにした。


「失礼します。先程連絡した鈴木です」


応接間の椅子に座る前に挨拶を交わした。


簡単に契約内容を言うと、このビルは再来年の再開発で取り壊しになる為、ワンフロア借りていたお客様が出ていき急きょ今人気の占いの館にしスペースごとに家賃を決めているとの事だった。


ちなみに今空いているスペースは一番奥の端なのでわかりづらい為、2年間契約してくれたら格安で提供するとの事。


月5万円年間60万円2年間で120万円を一括で払うから100万円に負けろと交渉して成立。


手付け金50万円を払って受領書をもらって自分の部屋に『転移』で帰って来た。


『OKキャサリン』を呼び出した。


「キャサリン!東京の安いアパートを鈴木アタルの名前で契約し、鈴木アタルの戸籍、身分証を実在する人物として創れる?」


「わかったわ、今ここで鈴木アタルの生まれた時からの履歴を全て作成するわよ!ほら出来た」


私のタブレットに鈴木アタルのアイコンが出て来た、それをタップすると、鈴木アタルのこれまで歩んだ人生が描かれている。


「完全記憶でこの情報は覚えておくよ、ありがとうキャサリン!」


流石に今日は疲れたので早めに休む事にした。おやすみなさい。

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