3
俺は移動中に考えを整理していた。
俺はそうそうに疲れて歩きながらGPSが移動しないことを確認する。米道のバイト先 から移動していなかった。午前中にここに移動していたら予想通りだった。事前の推理で嘘をついている人間がいないと仮定した場合、俺の知る限りではこのバイト先の店長しか、条件を満たす人物は思い浮かばなかった。学校の体育の情報を知り得ることが出来るのは何も生徒の保護者だけじゃない。以前、米道はバイト先に1年生がいる、と言っていた。米道は2年、長岳先輩は3年。この時点であのバイト先には各学年の生徒が最低でも1人ずつ存在することになる。各学年の体育の時間を、各学年から聞けば体育の時間は完全に把握することが出来る。さらに、米道のバイト先は開店が17時からだと、波上は言っていた。逆に言えば17時までは学校に侵入可能であるのだ。波上は米道のバイト先が、学生と店長のみで回っていると話していた。このことから米道のバイト先で自動車を運転出来るのは店長のみだ。よって自転車泥棒は米道のバイト先の店長ということになる。裏門を使用したのは、米道の意図が絡んでいるからなのかそれとも、うっかり漏らしてしまっただけなのかは分からない。そこは会ってきっちり話を聞こう。ただ、放課後に移動したという事実を照らし合わせると、どうしても米道が“善意“であったとは思えない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます