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俺は移動中に考えを整理していた。


俺はそうそうに疲れて歩きながらGPSが移動しないことを確認する。米道のバイト先 から移動していなかった。午前中にここに移動していたら予想通りだった。事前の推理で嘘をついている人間がいないと仮定した場合、俺の知る限りではこのバイト先の店長しか、条件を満たす人物は思い浮かばなかった。学校の体育の情報を知り得ることが出来るのは何も生徒の保護者だけじゃない。以前、米道はバイト先に1年生がいる、と言っていた。米道は2年、長岳先輩は3年。この時点であのバイト先には各学年の生徒が最低でも1人ずつ存在することになる。各学年の体育の時間を、各学年から聞けば体育の時間は完全に把握することが出来る。さらに、米道のバイト先は開店が17時からだと、波上は言っていた。逆に言えば17時までは学校に侵入可能であるのだ。波上は米道のバイト先が、学生と店長のみで回っていると話していた。このことから米道のバイト先で自動車を運転出来るのは店長のみだ。よって自転車泥棒は米道のバイト先の店長ということになる。裏門を使用したのは、米道の意図が絡んでいるからなのかそれとも、うっかり漏らしてしまっただけなのかは分からない。そこは会ってきっちり話を聞こう。ただ、放課後に移動したという事実を照らし合わせると、どうしても米道が“善意“であったとは思えない。

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