2
米道のバイト先は以前来た時と何ら変わりなくいつも通りだったが、俺の学校の生徒の自転車が3台止まっていた。既に客が来ているようだ。1年生の赤色シールの自転車が2台と2年生の緑色シールの自動車が1台であり、姉のおさがり自転車は黄色のシールなので、流石に客用の場所には置いていないようだ。
中に入るとその自転車の招待が分かった。樋口だ。樋口と駐輪場で隣にいた1年。そして俺と同じクラスの木口だ。
樋口がいるのは都合が良い。役者が揃ってるじゃないか。
樋口は俺が店に入ってくるのを見ると、俺と目が合って、ニタッと笑った。
「よう、探偵さん。自転車泥棒は辞めたのかい?」
「樋口、丁度いい。お前や木口の誤解を解いてやる。犯人が分かったんだ。今ここで推理ショーを行う。」
「なにっ!?」
樋口及び、他2名が驚く。そして何か始まったぞと、まだ開店間もない店内が少し騒がしくなる。
「おいおい、なんの騒ぎだ。」
1度目があっただけの店長が厨房から出てくるや否や、俺は店長に作業を中断するように命じた。
「なんで、お前の言うこと聞かなきゃ行けないんだ。」
と、店長はご立腹だったが、シフトが入っていた米道が宥める。
「探偵さん、どうしたんだ?いきなりウチに来て。」
米道が悪いやつとは思えない、が、米道がこの事件に関わってることは残念ながら確かだ。
「我が校を襲った連続自転車盗難事件の真相と、その犯人を突き止めた。今からその推理ショーを行う!!」
高らかに宣言し、店内は騒然となった。
「な、なぜここで?」
米道は困惑する。店長は怒っていた。
「米道、よく聞いてくれた。なぜならこの中に犯人がいるからだ!」
ざわざわっ、ざわざわっ
店内は騒がしかったが、俺が少し言葉を発さず、タメを作ったことで店内に一瞬の沈黙が生まれた。
「犯人はあなただァァァァァァ!!!!!」
俺が真っ直ぐに指さした相手は、米道のバイト先の店長だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます