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「私、分かったかもしれない。」

「ん?何が?」

「探偵さんの言ってた“善意“の意味。知らないことが善意だってやつ。知らない方がいい事ってあるよね。」


今までと違って真横にいるマリエの顔は確認するのは容易であった。

言わずとも内容は分かる。誕生日サプライズの事だ。


「“善意の名探偵“結構良いだろ?」

何も知らない名探偵。知らないってことは“善い“ことなんだ。


「あの、不機嫌になったりしてごめんね。私、気づけなくて…。これからは一生隣に居てね。」


俺は無言で頷く。当たり前だ。


「あの、ありが…」


マリエが何か言いかけていたが、俺はそれに被せるようにこう言った。









「報酬は要りません。善意でやっておりますので。」




春風で舞い散る桜。ピンク色のピンク色によるピンク色のための春。青春なんて嘘っぱちだ。春ってのはピンク色に決まってる。













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