第13話 考えの差
もちろん精霊使いと攻撃系魔法使いは
比べようにも比べられませんが。
もしも美香様が攻撃系魔法使いだったら?と
仮定しての話です。
とユキツーは続けた。
まぁあれです。何が言いたいかと言うと
ソミュールは私達、妖精族と同レベルの強さ、
魔法士と言いたいんです。
「ねぇ、武器はさ、鉱石とかで作るじゃない。
じゃあさ、杖は何で作るのが最高なの?」と
美香はユキツーに聞いた。
それはもちろん、ギンコから作る杖です。
樹齢が高ければ高いほどいいです。
付け加えて、ドルイダスが杖制作すれば
更にいいでしょう。
ドルイダス。
精霊の頂点であってるよね?と私。
はい、その通りです。まぁ皆さんに
わかりやすく言うと精霊の女王ですね。
とユキツー。
因みに美香様のその若木のタクト、それ
ギンコです。
よくぞ見つけましたね。今この世界では
何年か前に絶滅した樹木のはずです。
サンテミリオン様が植樹していましたが
人間達が伐採をし、燃やしましたから。
人間とは、さも愚かな生き物です。
とも続けた。
魔力ほぼ空なので私は休みます。
と言うと親方の肩に乗った。
「お?俺か。いいぞ、ゆっくりしてってくれ」
とガハハと親方。
さて、地竜とご対面と行くわよ。と美香。
全員アースドラゴンって言おうよ、とハーモニー。
その広間は明らかに空気が違った。
少し暗いのであまりよく周りが見えない。
奥の岩の様な何かが動く。
「なんだ、ウォッカ、忘れ物か?・・・いや、
違うな。バーボン・・・とも違う。お前は
誰だ。」と低く腹に響く声。
私は美香。地竜さん初めまして。
ほう、これはご丁寧に。私の事を地竜と言うのは
お前が3人目だ。
そっちの方がカッコいいでしょ?と笑う美香。
すまんな、知っている者と雰囲気が似ていたので
勘違いした。ところで、何のようだ。
あなたの糞を頂戴。と、直球の美香。
アースドラゴンは笑う。
物おじしないのだな、他の者は後ろで
動けなくて震えているぞ?
で、私の糞でなにをするのだ?
母様に負けないくらいの武器を作るの。と美香。
母とは?・・・ああ、なるほど。お前はウォッカの
娘か。しかし、ウォッカの娘の名前はジヴァニア
だったはずだが・・・。
そうよ?長いから美香って言ってるわ。と美香。
アースドラゴンは笑う。
ウォッカには多少なりとも恩があるので
渡すのはやぶさかではない。しかし・・・
ただ渡すのは面白くないな。
私と勝負してみるか?お前の母も私と勝負したが?
と、アースドラゴンは美香に問いかけた。
美香以外全員、本当に動かない。
話も聞けていない感じだった。
私は何故か話を普通に聞いている。
話を聞けている。・・・体も動く。
わかったわ。面白そうね!と美香は言うと
アースドラゴンの前に向かう。二刀流で。
アースドラゴンは言う。
私はまず、お前を食らおうとお前に近づく。
そして口を開けお前の体をクチャクチャと
しよう。・・・お前はどうする?
貴方が近づいてきたらまず鼻っ柱に飛び乗り
あなたの両目をこの武器で潰すわ。と美香。
なるほど、私は目をつぶされるのか。
じゃあ瞼を閉じるか。それならば
眼を閉じながら、私はお前のオーラを感じ
ブレスを吐きながら大暴れだ。さて、どうする?
それくらい回避しながらあなたの後ろに回り込むわ。
そして、その柔らかそうなお尻の穴にこの刀を
差し込み魔力暴発させる。あなたのお尻は金輪際
糞を出来なくなるわ。まぁ私もあなたのしっぽで
払われて壁に激突、意識不明ね。
糞が出来なくなるのは困るな。
困るので糞を持っていけ。アースドラゴンは笑う。
なるほど、私とお前は痛み分けだな。
美香も笑う。そして問いかけた。
「母様は、母様はその時どうすると?」
聞きたいか・・・。そうだな。
ウォッカは私が口を開けた瞬間に口の中に飛び込み
体の中からずたずたに切り刻みながら大暴れする。
と言っていたな。臓物をズタズタにする、と。
「金輪際、糞が出来なくしてやる。お前が参った
というまで腹の中で生活してやる。」と。
お前たちは親子だな。と、さらに大笑い。
美香は・・・唇をかんでいた。
多分、美香は「勝てないまでも。」と考えたのだろう。
しかし、ウォッカ様は「勝つ。」と考えていた。
「そうだ、糞をやるので頼みがある。もし私が
理性を失い、この地に災いを起こすモノと
なった時は、それでいい。ケツに刀でも突っ込み
魔力暴発をさせろ。唯一の弱点がそこだ。次に
がんばって角を破壊しろ。
そうすれば魔力を集められなくなる。
そうしたら、もう衰弱していくだけだ。
そして・・・殺れ。」
理性を失うことがあるの?と美香。
あるぞ?神エンドが目覚めた時に魔に当てられて、
そう、何か「活力」を感じて、高揚し、
「ちょっといい気分」になってな・・・。
そう、バーボンに教えてもらった言葉で言うと
「ハイになる」。・・・そして狂う。
さっさと糞持って行け。
帰りは魔獣が出てこないように誘導してやる。
それとそこの魔法使い、ちょっと来い。
え・・・。私?やだなぁあ、怖ええよ。
とおもいつつ前に出る。
そう言うと何か石の様な物を渡す。
ユキツーの体半分くらいの大きさ。
それはな、私のとあるところから出てきた
結石だ。深くは追及するな。それで杖を
鍛えろ。下手な素材で作るなよ?杖。
最上級の杖と合わせろ。
お前は見どころがある。気にするな、
私のただのお遊びだ。今までも渡している。
そして、お前も私を止めろ。
そして私達は素材を貰い、地溝を後にする。
母様と父様のおかげで貰えちゃった・・・。と
少しうつむき、寂しげなに美香は言った。
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