第46話 激突

ウォッカは突然持っていた器を

投げつける。・・・バーボンに。


「おい、邪魔だ。どけ」と言いながら。


それを見ていた

ジェニエーベルを返り討ちにした、

眼が金色で無茶苦茶すわってる

ルナティアも


「邪魔だ、小物」と言いリアスに

器を投げつける。


そしてバーボンとリアスの間に

隙間ができる。・・・と言うよりも

ジェニエーベルが煮込み野菜の器に

顔をうずめている時点で


両者の姿が丸見えとなっていた。


な、何故だ!と後頭部に器の破片が

刺さっているバーボンが言い後ろを振り向く。

そこには!


床で転がり裸で抱き合って酔っぱらい

寝ているダンとバローロが居た。


その先にはルエダがリスボアを少し

押し倒してチュッチュしていた。


「う、海が割れている。丸見えじゃねえか!」

と驚愕するバーボン。


「この俺でも止められなかったか」

と言うと

小皿と酒を持ってアスティの所へ移動した。


「無理だ。俺は知らん。」とバーボン。

「お前が無理なら俺も無理。」とアスティ。


ウォッカがゆっくりと歩む。

いつの間にか右手に「おもちゃの剣」を持ち。


その剣をウォッカは背中に回す。

「痒いいな、背中が。ちょうどいいな、コレ。

 背中を掻くのに最適だ。」と言うと更に


「これ位しか使い道ないしな、ケケケ」と

ルナティアを見くだし笑う。


ルナティアも相当酔っているのか

フラフラと立ち上がると歩む。

ウォッカに向かって。


「てめぇ、蒸発させるぞ。はんぱ魔族が」

とルナティアは目を金色に輝かせ言う。


ウォッカはダン達がいた机と椅子を

蹴り飛ばす。

ルナティアはダン達を蹴飛ばす。


全員がかたずを呑む。

美香は酒を飲む。

「母様ぁ、がんばってええ」と

わけわかんない声援を送る。


「おかわりにゃ。この節ご飯は

 おいしいにゃ」と笑顔のスコティ。


そういうとアスティの所へ行き

「醤油ほしいにゃ」とおねだりすると

アスティの横に座る。


シャルルとエルセブンは何か

手慣れた感じで他の机といすを

壁側へ持っていく。


「ワクワクしますな。」とシャルル。

「えぇ、それはもう。」とエルセブン。


ソミュールは美香の所へ行き

「何このお酒、いい匂い。」とウォッカが

飲んでいたモノを口にする。


5秒後、美香に抱き着く。

「ねぇ美香ぁ。」と何故か猫なで声。

ソミュールの和装コスの肩の所が

少し緩くなり「鎖骨」がくっきり見える。


リスボアはそれをチラっと見て

鼻から何か熱いものが流れるのを感じる。

それを見てルエダは自分の上着をワザと

ずらして思いっきり鎖骨を見せる。


ウォッカとルナティアを見て

「おらワクワクすっぞ」とテージョ。

「なにその言い方」とチェスキー。



ウォッカとルナティアの距離は

約・・・。ほぼゼロ距離。


「くせえな、なんか匂うぞ。

 というかルナティアじゃないか」

とウォッカは言うと、さらに


「あの時はすまなかったな。こんな

 頭のおかしい自称神を引っ付けて」

と言う。


「確かに匂うわね。

 あらウォッカ、居たのね。

 あの時はごめんなさいね?」

とルナティアは言うと続ける。


「ちょっと本気を出しちゃったら

 あなたの剣を折ってしまったわ。

 これはその弁償よ?」と言うと


1枚の銅貨をウォッカの前に突き出し

そして銅貨をつまんだ指が離れる。


その銅貨が床に落ちた瞬間

ウォッカは神器で切りかかる。


ルナティアは左手1本で、

というよりも左手の手のひらで

その剣の刃を握る。


「遅すぎてあくびが出るわ。もう少し

 早く振りなさいよ。」と言うと

右手を大きく開けた口に当てる。


「その剣で私が斬れるわけないじゃない。

 だから魔族はバカなのよ。あ、

 目の前にバカ発見。」とも言う。


「そりゃそうだ、子供向けのおもちゃだしな」

とウォッカは言うと、なんと


ルナティアを思いきり蹴とばした。


背中から壁に激突したルナティアは

手のひらをウォッカに向ける。


今度はウォッカが後ろの壁に激突する。

「この居候ばばぁが!カウチポテトがっ!」

とウォッカは言う。


「あの言葉教えたのお前?」とバーボン。

「うん。俺。」とアスティ。


お互いが歩み、近づく。


ルナティアが再度手をウォッカに向ける。

何かの圧力の様な物が今度は

ハッキリと見える。


それをウォッカは持っていた剣で斬る。

二人の間に爆発の様な物が起こり

再度二人は吹っ飛び壁に激突する。


「そりゃそうだ、同系統だしな」とアスティ。

「俺あの系統、再現できないんだわ」とバーボン。


「なんで姐さんは神器を使えるんだ?」とアスティ。

「そりゃぁ、お前。アイツはマジでおもちゃと

 思ってるからじゃないか?」とバーボン。


「姐さんが光属性使えるって最強じゃねえか」

「と言っても剣の力だけどな。」


再度、魔法と剣がぶつかり合い二人は

ぶっ飛ぶ。


「自称神が鼻血出してる。笑える。」とウォッカ。

「あら、魔族も鼻から出る血は赤いのね。

 ウケる。緑色かと思った。」とルナティア。


そしてまた二人は歩みだしゼロ距離となる。

辺りは静まり返っている。


しかし決着は突然訪れる。

二人はなんと!


完全に酔いが回り頭をぶつけあい倒れる。


「お前酒に何か入れた?」とアスティ。

「俺はルナティアのにな」とバーボン。


「ウォッカのに入れたのは私にゃ」とスコティ。

「平和が一番にゃ。」とも言い

ご飯をかき込んで手を合わせる。


「ごちそうさまにゃ。」と。


二人の喧嘩は猫も食わなかった!


さて帰るか。とバーボンは言うと

周りを見渡す。


そして驚愕する。

全員がバカ騒ぎの後寝ている。


変な恰好で抱き合ってる者。

顔を皿に突っ込んでいる者。

自作の疑似餌を握っている者。


美香を見るとソミュールと抱き合い

寝ている。

「そ、そんな恰好で!

 お父さんは許しません!」と頭を抱える。


「平和が一番にゃ」とスコティ。

「面白かったね」とシャルル。
















 

 






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