第22話 初戦

私達は6試合目だ。その間は

暇なので全員が観客と同じところで

対抗戦を見ることとした。


1戦目コアントロー対ガンチア

斧使い3人で前衛を固め竪琴で攻撃力を上げ

回復魔法士が一人のコアントロー。

剣2人槍人と杖1人と回復1人のガンチア。


肉弾戦になっている。竪琴で攻撃力を上げているが

なかなか当たらない。ガンチアの剣士の動きが素早い。


しかし斧の一撃が剣士に当たる。

「ぶっ、体二つに分かれたんじゃないか?」と

リスボア。

「大丈夫よ、ああ見えて防御付与されている

 装備だからそこまではならないわ」と私。


「すごいんだな、俺も付与した方がいいのかな」

と恐るべき一言。

「何あんたの装備は何も付与されてないの!?」

と美香さえも驚く。


「すっかり忘れてた。だって学び舎から

 直行だったし。」とリスボア。

今、気が付いてよかった・・・。

今、聞いてよかった・・・。

今までよくぞ無事であったと思う。


「楽な立ち位置だったし、まぁ

 攻撃は最大の防御だし」と笑うリスボア。

・・・そういう問題ではない。


美香はそうねぇ、ちょっと来なさい。

とリスボアに言うと、どこかへ行ってしまった。


そうこうしているうちに1戦目の決着がついていた。

コアントローの勝ちだった。


そして2戦目

マルフス対クエルボ

杖3回復1竪琴1のマルフスに対して

短剣2と扇、竪琴、回復1のクエルボ

の戦いは相手に何もさせることなく

マルフスが勝った。

クエルボが強いのか弱いのかさえ

分からなかった。


3戦目

マッカイ対ベルノリカール

剣1爪1杖2回復1のマッカイに対して

剣2杖2回復1のベルノリカール。


ベルノリカールの剣士の盾が固い。

その後ろからの魔法攻撃も強い。


しかしマッカイの爪の動きが速い。

隙間を抜いて一人の魔法士を狩り取る。


一度入ってしまえばもう爪の独壇場と

なった。次に回復魔法士を狩り取る。

その時点で族長が降参の合図をする。


勝者 マッカイ


「やっぱあの爪、強いなぁ」とダン。

「ああ、以前俺たちは1分も持たなかったしな」

とバローロ。


4戦目

シーバス対カルーア

剣1槍2扇1回復1のシーバス。

それに対して

棍2弓1扇1回復1のカルーア。


「ここに来てやっと弓か。」と親方。

「気にするな、ハズレじゃないぞ、うん」と

ダンはそう言うと親方の肩を叩く。


「棍棒も人気ないの?」と私が聞くと。

「そんなことはない、強いぞ?でもなぁ

 地味なんだよ。目立ちにくい。」とサモス。


どうやらカルーアはレア集団らしい。


そして勝ったのはカルーア。

棍と槍の戦いは見ものだった。

槍の攻撃を全て弾きそれと同時に

各関節を殴打する棍。


4戦全てが全員戦だ。

そりゃそうだ、回復対回復なんて

時間がいくらあっても決着はつかない。


5戦目

ベイリーヌ対マリブ


「そろそろ準備だ、いくぞ」とダン。

次の試合を見たかったが仕方ない。

控室に戻ると美香とリスボアが居た。


「こんなもんね」と美香。

リスボアを見ると赤を基調とした

なんかカッコイイ装備。


「とりあえず間に合ったわ、寸法を直した」

美香が持ってきたコスという装備をリスボアの

サイズにした手直ししたのか。

「短パンのコスがあってよかったわ」と美香。


ベルジュラック渾身の装備を纏う2人。

・・・ズルだな。このメンバーは。と私は思う。


「うぉ、なんかめちゃくちゃカッコイイ。

 これ俺がもらっていいの?」と興奮して

満面笑顔のリスボア。

「そのかわり勝ちなさいよ」と美香。


そういえば、と美香は私を見る。

ソミュールもこれ。とコス装備を差し出す。

「体系はほぼ同じだから普通に着れるはず」

と美香は笑顔で言う。


そ、そんなに物欲しそうな目で見ていたのか。

私は・・・。と、思いつつもお着換えした。


白基調に紫色の花模様だ。

「和装コスよ!私一番のお気に入りだから

 大事に使ってね」と美香。


「ちょ、ちょっと足の露出が・・・」と私が言うと

それがいいのよ?と笑いながら美香。



そして一時して

「入場してください」と言う声がした。


私達は闘技場に入る。

正面にはキルビー。

キルビーと私達は歩みを進め

向かい合う。


「どうする?戦い方は?個別戦か?

 それとも全員戦か?どっちでもいいぞ?」

とヤな男は言う。


「全員戦でいいわ。ハンディよ」と美香。


「おいおい、学習しねえな。ん?物理職を

 増やしたのか?それでも二人。

 楽勝じゃねえか」とヤな男。


「なんだ?その肩のゴーレムは。あぁお前は

 精霊使いか。いいねぇかっこいいねぇ、それ。

 俺たちが勝ったらそれも貰うわ」と

ユキツーを見て言う。


「そうだな、私達に勝ったら

 お前たちの所に行くとしよう」とユキツー。


キルビーは

扇、剣、短剣、スティック、杖、の

一般的の構成だった。


「なんか強そうに見えないね」

と美香が言うと

「あれでも全員ランクS、二人はもうすぐSSだ」

とバローロは言った。



そして開始の合図、銅鑼が鳴る。


開始と同時に突っ込む・・・美香と思ったら

リスボアが突っ込んでいた。

しかし相手が距離を取りリスボアの攻撃を

回避する。と同時にリスボアは後ろに飛ぶ。


その間にキルビーの族長が扇で魔法を

発動した。魔法封印。


相手の剣と短剣が私に向かい突っ込んでくる。

バローロが間に割り込み剣の動きを止めるが

短剣使いが横をすり抜け攻撃の構えに入る。


私は動じていなかった。何故なら・・・。

鉄球が短剣使いの右腕を捕らえ、鎖が巻き付く。


「なんだ!・・・それ!」と

相手の族長は裏返った声を上げた。


これで槍と剣、鎖鎌と短剣が対峙することとなる。

残りは3人づつ。


私達は作戦を決めていた。

全員戦でも1対1の戦いに持ち込むと。


私も薙刀に持ち替えようとした瞬間に


敵の杖から攻撃魔法が私に放たれる。

相手はまず魔法封印されている私を狙う作戦。


が、突然の魔法障壁の様な物が私の前に現れる。


「なぜ、攻撃しないんだ?余裕か?とりあえず

 直撃すると思って防御はしたが」と杖が喋る。



























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