第33話 決勝戦①

決勝戦 カティ族対マッカイ族


全員が整列をしお互いがお互いを見やる。

族長同士が話し、全体戦と決まった。


アスティによる開会のあいさつ


「なげえぁ、話。」とリスボア。

「年取るとあんなもんよ」とバローロ。


そして挨拶が終わると開始の銅鑼を待つ


私達は作戦を決めていた。

リスボアとバローロが私の前に壁を作り

わたしが魔方陣を描く時間を確保する


右側に美香、左にダン。


そして開始の銅鑼がなる


と同時にダンが体勢を崩し体ごと地面に落ちる。

と同時に私は薙刀で爪をガードする。


「なになに、あんた見えるんだ。

 そうか、吸血族か。そりゃぁ見えるわな」

とルエダは言うと距離を取る。


と同時に敵の魔法攻撃が飛んでくる。

リスボアが全身で受け止める。

「我慢だ!おれのスキルだ!」と叫びながら。


いや、それはスキルじゃないぞ。

歯を食いしばってるだけだ。と、私。


無傷。恐るべしベルジュラック印の装備。

いつの間にかルエダは向こうに帰っていた。


「予定変更だ。相手の魔法使いは

 吸血族だ。それに棍のような槍の様な

 物を持っている。」


「まぁ付け焼刃だろう」とルエダは

族長と話している。

しかし回復魔法を落とした。

後は削るだけだ。と。


ダンは監視員の準備した担架で運ばれていった。

戦線離脱。


「しかし、開始で手を止めたの珍しいな。」

とマッカイの族長は言うと、ルエダは


「嫌な感じがした。最初は魔法使いを

 落とすつもりだったが・・・。

 大丈夫。数を減らしてくる」と言うと

腰を落とし突貫の準備をする。


バローロが槍を持ち相手の剣士の族長に

突っ込む。剣士は一騎打ちを受けた。

そしてリスボアも魔法使いに飛び込んでいた。

美香は動かない。


その為完全に私の左側が開いてしまった。

私は体がゾワっとし、そして耳元で

「がら空きじゃん。」とルエダ。


「オヤスミにゃんにゃん」と言うと

爪で私の腹をえぐろうと腕を

突き出す。


キィィィンと音がすると

ユキツーが唯タクトで爪を止めていた。


「何突っ立っている、美香の後ろに。

 私が止める。」とユキツーは言う。


が、美香はいない。気が付くと攻撃魔法士が

美香の足元に転がっていた。

「ミネウチじゃ、安心せい」と

わけわかんない事を言っていた。


マッカイ族魔法士離脱


リスボアの足元にも魔法使いが

転がっている。

「ミネウチとかいう奴だ。安心せい」と

なんか美香の真似ごとを言っている。


しかし魔法士の体からドバドバ血が

流れている。

審議の声はかからなかった。


焦って私はアスティ様を見た。

アスティ様を見ると昼飯を食べながら

談笑していた。


マッカイ族魔法士離脱



もう全員が全員とも有利な相手を潰していく。


「とった!」と相手の剣士が叫ぶ。

バローロを見ると小型の盾が

側頭部に、めり込んでいた。

しかし相手の剣も折られており

足元に捨てられていた。


カティ族 槍離脱


「逃がした!構えろリスボア」とユキツー。

が、遅かった。リスボアの脇腹に爪が食い込む。


「ぬおおおお!スキル!我慢!」

と言うとリスボアは剣を捨て、

そのままルエダを抱きしめる。

「い、いまだ!師匠!」とリスボア。


しかし美香は相手の剣士に足止めを食っている。

「とおさねえぞ、ここは」と盾を構える。


「ちょ、離れなさいよ。」とルエダは

膝蹴りを何発も放つ。


「絶対離さねえ!ユキツー打てぇぇ」

というと

ルエダの背後から青の光が貫く。

その光は貫通してリスボアの体をも貫く。


おいおい、お前ら私を忘れていないか?

私は魔方陣を描く。

あれ?なんか魔方陣が丸く書けていない。


いい!大丈夫!この杖は激レアさん!

たぶん、そんな感じなのだ!


私は上級魔法を放つ。


ランス デ ローチ


岩の槍が顕現する!その岩の槍はなんと!

どこか空のかなたに飛んで行った。


すると杖は何か魔力を失ったように

枯れた木の様な感じになった。


ユキツーは再度放とうとするが

リスボアに当たる事に躊躇している。

その瞬間を逃さない者が居た。


相手の回復魔法士がユキツーに

飛び掛かり強く抱きしめる。

「絶対離さない!」というと

なんかもう抱き枕を抱くがごとく

足すらも交差させている。


ユキツーは抱えられながらも

攻撃をするが、相手は

「ヒール!ヒール!」

攻撃1回に対して2回の回復魔法を

自身に発動させている。


リスボアを見るとルエダに振り切られようと

され、もう足に、太ももにしがみ付くのが

精一杯だった。


リスボアの背中に渾身の一撃が落とされる。

「ぐはぁぁぁ」と声を上げるリスボア。


「し、師匠はやく・・・」というが

美香の攻撃を盾で防ぎきる剣士


「こ、こうなったら窮鼠猫を噛むだ!」

とわけわかんない事をリスボアは言うと


思いっきりルエダの太ももに噛みつく。

そして肉を食いちぎり再度、噛みつく。


「いい加減にしろ!」とルエダは

更に背中への攻撃。


リスボアはその場所に落ちる


カティ族 リスボア離脱。


ルエダは重々しく足を引きずりながら

私の方へ向かってくる。


私は多分、この聖なる杖を使いこなせない。

ならば、と薙刀を構える。


「ソミュール、回り込んで何とかこっち来い!」

と美香が言う。

私は薙刀をルエダの正面に構えながら

美香の所へ向かう。


そして美香は言う。

「選手交代よ」と。


ソミュールと剣士

美香とルエダ


回復魔法士とユキツーはまだ

抱き合って転がりまわっている。

時折「ヒール!ヒール!」と声がする。


相手の剣士が予備の剣を持ち構える。

私は薙刀を構える。


「油断するな、何度も言うが

 そいつは私と同じ吸血族だ。」

とルエダは剣士に声をかける。


美香は何と一振りの刀をしまい、

もう一振りを右の腰に持ってきている。


美香は言う。

「リスボアのおかげで。そして

 剣士が対峙してくれたおかげで

 準備は出来たわ。描けた。」と。


「感じろ、私。感じろ、大地の精霊の

 ざわめきを」と言うと美香の周りに

うっすらと魔方陣の様な物が浮かび上がる。


美香は深く腰を落とし、目を閉じる。


一閃に懸ける構えだ。

美香に聞いたことがある。


「居合」





























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