第25話 カッツ族との戦い①

準決勝

マルフス対マッカイ

カティ対カッツ


もう予想屋は右往左往している。


カティ控室にて


ねぇ今日はどこまで戦うの?と美香。

次の戦いまでだ。決勝と特別戦は明日だ。

決勝がお昼頃、特別戦が夕方だ。


次のカッツは強いの?と聞くと

前回の優勝族だ。・・・強い。


構成は?とも聞くと

多分、剣、棍、短剣、竪琴、回復、だ。

全員ランクSSだ。


カッツ控室にて


「いやいや、強いねぇ」と

棍の手入れをしている女性。


「おや、テージョがそういうの珍しい」と

竪琴の調整をしている女性。


テージョと呼ばれた女性は言う。

「そんなことないさ、チェスキーこそ

 今日は丁寧に調整してるじゃないか」と。


作戦は?カッツの族長は言う。


「ねえな、そんなもん」と二人の女性は言う。

「出たとこ勝負だ。多分、今度は

 速攻で来るぞ、あいつら。」とテージョ。


「だろうな、私もそう思う」とチェスキー。

なぜ?と族長は聞く。


「あの精霊使いだ。2本の剣を持ったやつ。

 まず、あいつが突っ込んでくるぞ。」


「もう今までの試合、後方でウズウズしてた。

 行きたくて我慢してたんだろうなぁ」

と笑うテージョ。


「あの魔法使いどうすっかなぁ」とチェスキー。

「ありゃ反則だぞ。あれで続行はないわ」と

ヤレヤレと言うしぐさをしながら続けた。


そうだ、個別戦で行こう。とテージョ。

個別戦で押し通せ、族長。とも言った。



組み合わせはこうだ・・・。

テージョは族長に組み合わせを伝える。



優先組の特権だな、と族長。



マッカイの控室


マルフスの魔方陣の罠は厄介だな。と族長。

「あんなもん踏まなければいいだけだろう。

 もし踏んでも、そこにはもういねえよ」と爪使い。


あぁ、そうか、

お前見えるもんな魔法痕跡。と族長。

続けて

「そういえば、カティとカッツの戦いは

 どう見る?ルエダ」とも言う。


ルエダと呼ばれた女性は言う。

「わからんな、ランク的にはカッツが上だ。

 しかし、カティはよくわからん。

 手に入れた情報のランクと実力が

 アンバランスだ。ありゃSSだ。」と。


「それと、装備と武器が強い。

 バカらしくなるくらいに。」


「多分、カッツは個別戦で押し通すだろうな。

 優先組の特権だ。ゴネが通るのは・・・。」


それよりも目の前の試合だ。とルエダ。



準決勝が始まる。


開始マルフスの魔法使いが魔方陣を敷く。

辺り一面が桃色に輝き消える。


「おいおい、どんだけ仕込むんだよ」とルエダ。

それじゃお前らもこっち来れないだろ。

族長、骨は拾ってくれよ?とも続けた。


ルエダは魔方陣を無視して突っ込む。

地面から炎の柱が上がる。が、

その先に既に行っている。

しかし、後ろにいったん下がる。


おいおい、マジ無理だって。と言いながらも

魔方陣の数が少ない直線は・・・、この角度か。

と呟くと移動する。


左側に位置調整するとなぜか魔法使いも移動する。

そして突貫の準備をする。右足を前に腰を落とす。


よっしゃ、ルエダと声を上げる。


魔法使いがなんとルエダに向かって風属性の

魔法を放つ。ルエダが走り出すと同時に

風魔法のエアクッションが当たる。


それも2人分の風魔法。


ルエダがぶっ飛ぶ。

ものすごい勢いで飛ぶ。

人はこれほどまでに飛べるのかと言うほどに!


ぶっ飛びながら

「こ、これはくせになるな!」と興奮する。

ルエダが飛んだ後に炎の柱が上がる。

というか上がり続ける。


会場全体が歓声を上げる。


そして一人の魔法士にぶち当たる。

「こんにワンワン」とルエダは言うと


魔法士を切り刻む。

一瞬にして3人の魔法使いが崩れ落ちる。


そして竪琴使いに向かう。

「残念だったね、降参する?しなよ」と

腹に爪を当てる。

「なんか今回、殺す寸前以上でも続行なんだよね。

 手加減しなくてもいいよね?」と脅す。


回復魔法使いは既に見ているだけだった。


「ま、参った」と竪琴使いは言う。

2回戦同様、ほぼ一人での勝利だった。



1戦目 勝者マッカイ族 決勝進出



控室に声がする

「入場です」


はええな!とダン。


作戦は?と美香に聞くと

「突っ込む」と答える。


闘技場に入ると目の前にカッツ族

お互いが歩み寄る。


そしてカッツ族の族長が言う。

「個別戦だ、譲らん」と。

優先族の特権だ。


そしてお互いが話し合い


先鋒 槍バローロ対棍テージョ

次鋒 回復ダン対竪琴チェスキー

中堅 剣リスボア対剣バンチウ

副将 杖ソミュール対短剣カラタユド

大将 タクトジヴァニア対回復カバ


と決まる。

個別戦は3勝した時点で終わる。

族長の勝ち負けも関係はない。


試合を見ていないので相手の力量はわからない。

しかし、相手の個別戦の押し通しと

組み合わせを見てわかる。


相手は中堅までに試合を決めるつもりだ。

でなければ美香に回復を当てたしない。


そして試合が始まる。


先鋒戦は槍と棍の戦い。

私的には見ものの戦いだ。というか

興味をそそる戦い。


開始の銅鑼が鳴る


両名とも動かない。が、

無防備にバローロに近づくテージョ。

「あら、来ないの?槍は攻撃してナンボよ?」と

言うと手招きをしている。


「なめるなよ!」とバローロは突きを繰り出す。

が、棍でその突きをカチ上げる。

と同時に反対側でバローロの腹を突く。


「これに刃がついていたらあなたの臓物は

 この辺りに散乱しているわよ。

 まぁ付いていないから棍なんだけどね。」とテージョ。


バローロは少し後ろに下がる。

「槍が下がっちゃだめよ」と槍を払うテージョ。


二人が打ち合う。

「取った!」とバローロは言う。

三つ又で棍を捕らえている。そして

槍をねじるバローロ。


その後のテージョの行動に私は驚愕する。

棍から手を離し、なんと回し蹴りをバローロの

後頭部に繰り出す。

バローロは前かがみに崩れそうになるが耐える。

が、槍を持つ手に力が入っていない。


テージョは棍を拾うとバローロの顎を

カチ上げる。

崩れ落ちるバローロ。


勝者テージョとアスティが宣言する。



カッツ族 1勝目

 














 







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る