第14話 カティ族

私達は短期間だけ借家を借りた。

7人だとそちらの方が安くついたからだ。


まず行う事は武器を完成させる事。


美香の包丁または刀の作成。

サモスの手袋の完成。

ダンの鎖鎌の強化、または作成。

親方のハンマーの作成。

そしてソミュールの杖の作成。


バローロは俺にもなんか作ってくれよ。

と懇願。

リスボアは、俺はこれでいいと、

アスティ様の剣を手入れしている。


素材が足らないかも?

ってことで優先順位を決める。


一番は美香の武器。次に手袋。

そして親方のハンマー、鎖鎌。

素材が余ったらバローロの槍。


ソミュールの杖は基となるモノを

手に入れてから。そもそも今回の

素材は使わないし専用の素材がある。


絶対に余らないな!と涙目のバローロ。


まず美香の武器は地竜の糞とバナジン鋼

これはウォッカ様の持つ武器と

同じ素材であるが、刀とすることと決めた。


美香が言ったのだ。もし、母様が一撃の重さに

重点を置いているならば私は速さ、手数の多さ。

それでいくわ・・・。と。


サモスの手袋はバナジン鋼と鉱石の複合材を

手の甲のプレートの部分に使う。

ダンの鎖鎌は刃の部分のみ複合材を使い、

鎖と鉄球は通常の鋼材とする。


そしてバローロの槍の先端のみ複合材とする。

美香の提案で先端部分は三つ又とした。

何故かと聞いたら、「かっこいいから」との事。


ハンマーは構造がよくわからないので今回は

見送っていいぞと親方が言ったので

バローロの分まで素材が回ったのだ。


あまりにも重心が取れなくてハンマーなんて

作成は無理だ。アレは絶対に柄が折れちまう。

重さで・・・。と親方はしょんぼりしている。


というかさ、親方って実はすごい人?母様が

依頼するくらいなんだし。と美香。


え?今更?とサモス、ダンとバローロも。

そしてなんとリスボアも。


親方は赤の国で3本の指に入るほどの鍛冶師だぞ?

赤の国鍛冶師協会の副会長でもあるしな。

名前が親方であだ名がトスカーナだ、と全員。


全員ウンウンと頷く。

リスボアすら知っている人物を、私と美香は

知らなかった・・・。


俺はな、気に入った依頼しか受けないからなぁ。

と親方はしみじみと言う。

私達と一緒に居ていいの?親方は。

と私が聞くと


楽しい事で食っていけるならそれが理想だ。

今俺は楽しい。だったらいいじゃねえか。

立場とかどうでもいいしな。後継者にも

逃げられたしな、と親方は言った。


ってか、名前とあだ名が逆じゃねえか!ともお怒り。


おまえ手伝えよ・・・。とサモスをジロリと見る。

サモスは下を向き少し冷や汗をかいている。


そして親方とサモスは親方の知り合いがやっている

鍛冶屋へ向かった。


ギンコの樹木かぁ・・・。それにドルイダスって。

もう伝説の杖に今の段階でなっちゃってるわ。と私。


ユキツーが美香に向かって

精霊を誰でもいいので呼び出してほしいと言った。

折角なのでと、美香は出番がなかったイフリートを

呼び出した。・・・家の中で。


お、フシャスラ様じゃないですか。なんですか、

その恰好。まぁかっこいいけども。とイフリート。


ドルイダスに杖を作ってほしいと伝えてほしいのだが。

とユキツー。

さらにギンコの樹木も探してくれとも言った。



あるかなぁ、ギンコ。とりあえずドルイダス様には

伝えておくけども。作ってくれるかなぁ。

その人間達が使う杖ですよね?

まぁでも使うのが吸血族なら、

・・・まぁ伝えます。


と言うと、イフリートは魔方陣に消えた。


それはそうと、部族対抗戦よ。ルールってあるの?

と美香が言うと


ルール?あぁ、決め事か。あるぞ?とダン。

まず5対5だ。


戦い方は対抗する部族で初めに決める。

順番で戦うやり方でもいいし、

全員がわちゃわちゃと戦うやり方でもいい。


武器は何本でも使っていい。

武器破壊で折れたりするからな。


そして相手が死ぬ寸前までやってもいい。

でも殺したらダメだ。回復が出来ないからな。

まぁでもその前に相手は降参するがね。


重症、例えば腕を切り落とされたりしたら

その場でそいつは降参するのがほとんどだ。

大会の回復場へ腕を持って一目散だ。


んで、部族長が参ったをすれば問答無用に

その場で終了。


それだけだ。


もし殺してしまったら?と美香。

アスティ様乱入でそいつも殺される。とダン。

一対一で見せしめのように。なぶり殺しだ。


貴方たちは今までどんな作戦で行ったの?

と私が聞くと、ダンは


色々だな。前回は全員で一緒に戦った。

しかし魔法を封印されて

魔法士がボロボロになるまでやられてな、

死ぬ寸前まで耐えていたが・・・。


俺も回復が出来ずにすぐに降参だ。

相性が悪かった。キルビー達だ。


あのヤな男の名前?と美香が言うと

違う、アイツの部族の名前だ。

因みに俺たちの部族の名前・・・知ってるよな?

と、恐る恐る美香に聞いたダン。


知らないわよ。

ダンと愉快な仲間たち族?と美香。


ダンは少し、そう、しょんぼりしながら

言った。俺たちは「カティ族」だ・・・。


リスボアの両親が居た頃も勝てなかったが

それは組み合わせが悪かった。

いつも一回戦で相手は決勝まで行く位の

強さの部族だ。もう運命だ。


だから噂になっている。

俺たちと一回戦で当たれば決勝に行けると。

もう縁起ものだ。俺たちは・・・。


キルビーも決勝に?と美香が聞くと

あぁ、あの時は本当に奴らは運がよかったな。


組み合わせの妙なのか、強い部族同士が

潰しあいの様な組み合わせだったよ。



・・・アイツら前回準優勝の部族だ。

















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