第4話 あまり選択肢がありません

 ますますわかりません・・・・


 そう思っていると、あの3人のおじさん方が僕に声をかけてきます。


「おうあんちゃん、坊主にあっちに持ってくアイテム工面してもらったのか?こっちもあんちゃんを送る準備ができたぞ?」


「ええっと・・・・何が何だか未だ理解できません。」

 それに坊主ってあのお姉さん?


「あ、まあ気にするな。先ず送る世界を考えて・・・・あんちゃんのいる世界は美醜逆転しておる世界にしておくのじゃ!あんちゃんの感覚は今までと変わらねえが・・・・例えばな、美女の扱いがあっちの世界では全く異なる。恐らくあんちゃんは、あっちで美人と言われる女をバケモンと認識するじゃろうて・・・・うはは!そのかわりじゃ!あんちゃんが美女と思う女は、きっとあっちではごみ扱いされとるでな、簡単に美女ゲットできるぞ?まあそこまで生き残っておればじゃが・・・・うあははは!」


 え?何ですか?美醜逆転?つまり・・・・僕はあっちではイケメンですか?

 ちなみに僕の顔はあまり整ってません。

 なので女性にモテた試しがないです。それに痩せていて、もやしとか言われてますし。

 え?

 え?モテるのに顔は関係ないって?だけど最初はやっぱり見た目って大事だから、第一印象で僕の顔はかなり不利なんですよ。



「お!そろそろじゃな・・・・ああ、あんちゃん流石にな、あっちの世界の姿にさせてもらうぞ?顔なんかは今の面影のまま、髪の毛や目の色、それにだ、さっきのダイス・・・・あんちゃんよかったな!10歳だぞ!若返るのじゃ!いいのう!ヒック!」


 え・・・・10歳?しかも見知らぬ場所で?


「10歳?ちょっと待って下さいよ!」

「お?そろそろ時間じゃな・・・・まあ短い時間かもしれんが、異世界ライフを満喫してくれ!」


 え?そんな!


「さらばじゃ!」


 え・・・・ええええ?


 僕は何だか引っ張られる感覚になったけど・・・・

 最後にボーイッシュなお姉さんが・・・・何か左手に手渡してくれます。


「私の名前はベティーナ。内緒だけど秩序を司る神。何かあったら教会で私の名前を思い浮かべ祈りなさい。それと、そのかばんは貴方だけが扱えるようにしてます。中身は色々入ってます。急いでたから少々のお金とスキルが少し。それと万が一の時に必要な、貴方の知識で言えばサバイバルセットかしら?が入ってるわ。ばれない様に急いでたからあまり数はないけれど・・・・縁があればまた会いましょう・・・・そして時々こっそり新たなアイテムを入れてあげますからね。」


 最後に何故か正面から抱きしめてくれます。

「巻き込んでごめんなさいね・・・・しかも10歳。だけど、その装備とアイテムがあればなんとかなるはずよ。最初はたぶん森だけど、すぐに異世界売買で必要な物を買い求めなさい。それと探せばすぐ街が見つかるはず。せめていい出会いがあるといいわね。さようなら愛しい人。」


 最後に何か口に触れたような・・・・そんな感覚があったのかどうかわからないまま、僕はお姉さんにお礼を言う時間もないまま・・・・意識が遠のいていきます。

 あ・・・・異世界ですか・・・・

 ラノベの世界?

 僕は・・・・


 ここで考える事ができなくなり、目の前が真っ暗になり・・・・意識が無くなっていくのを感じます・・・・

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