第81話 神のナイフが凄すぎます

拝啓ベティーナ様。僕は今ダンジョンの100層にいます。

僕達6人は暫定パーティーでダンジョンにやってきました。


これからこのメンバーでパーティーを結成するかどうか決まっていないので、パーティー名はありません。


そしてダンジョンに入ろうとした所、別のパーティーに声をかけられたのですが、僕がこの世界にやってきて、オークと戦闘になった時、戦って負傷した冒険者だったのです。


そしてなぜか一緒にダンジョンに入ったのですが、どうやら複数パーティーで行動する場合、【レイド】と言う仕組みを利用するのですね。


詳しくは理解できませんでしたが、これのおかげで12人全員が等しく【経験値】を得られるそうですね。

経験値って何でしょうか?

分からない事だらけです。


そしてベティーナ様から頂いたのでいいのかな?選んでいただいた神のナイフが凄すぎて、折角スキルを・・・・全魔法の素養を選んで下さったのに、今の所必要性を感じないんです。


何せ疲れたら【神のコップ】・・・・ごめんなさい、持ってきてしまいました・・・・これを利用すれば怪我も疲れも完全回復。


そうそう、90層までは10層ごとにワイバーンだったのが、この階層だけドラゴンだったのですよ。


流石に神のナイフの威力は規格外と言うべきなのでしょうか、瞬殺でした。


こんな素晴らしい武器をお与え下さった事、感謝いたします。



ふう・・・・こんな感じでいいかな?



僕は今100層にいます。

100層の魔物を仕留めた後に進んでいくと、休憩所があったのでそこで休憩中です。


流石にナイフを投げまくるのも疲れちゃいました。


神のコップを利用すれば身体は回復するのですが、今回の疲れはそういう次元の疲れではありません。


周囲の声が耳に入ってくるたびに、しかもそれは殆どの場合僕の事を言われているので、その度に気を使っています。


「ショースケ様、少し休みますか?」

「コラリーヌさん、そうします。何だか疲れちゃいました。」


この休憩所は不思議な空間で、なぜかベッドや風呂があります。


折角なので甘えさせてもらいました。


・・・・

・・・

・・


「なあ、俺達何もしてないがいいのか?」



今回ダンジョンアタックをしたもう一つのパーティー【疾風迅雷】のリーダー・ヘリット・ミックは思わずそう呟いてしまった。


何せ100層までほぼショースケ一人で戦ったからだ。


彼らはただショースケに着いていっただけ。


そしてその結果・・・・レベルが6から8に上がりこのダンジョン、過去に70層以降を突破できていなかったにも関わらず、ショースケ一人の力であっさり突破。そして100層も突破してしまった。


「いいんじゃないか?」


そう返答するのはサブリーダーのミルテ。


次にもう一つのパーティー・・・・名前はない。


「ショースケ寝た?」

ニネットである。


「ええ。正直いいのかしらと思うのだけど、ショースケ様は一人で此処までやってきたようなもの。私達は何もしていません。」


「そんな事ないわよ?彼なんて言ったらいいのかな?普通知っているような事柄を知らないっていう、不思議な事が沢山あったから、それを指摘して教えてあげたりしたじゃないの。」


既にショースケの知識不足は周囲に認識されつつあった。




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