第70話 やっぱり4姉妹は賢い

「ええとそ、それはその。」


 僕がおろおろしちゃったので、

 カロリーヌさんが何だか申し訳なさそうな表情に。


「あ!ごめん、聞いちゃいけない事だったね。ショースケさんにも事情があるよね。」


 こんな小さい娘さんに気を遣わせちゃった。


「あ、その、まあ、君達4姉妹だけなら色々答えてもいいけどね。」


 するとニネットさんが、

「ちょっとそれどう言う事?私じゃダメなの?淋しい事言わないでよ?」


 うーん、僕の身体が大人ならもっと違う事を言うのだけど、10歳だからね。


「信用ですから。」


 ガクッとうなだれるニネットさん。



 そんな事を言ったら、4姉妹ともまだ出会ってほんの少しなんだよね。だけど何故僕は4姉妹をこうも信用してしまっているのでしょう?



「やっぱりカー●△のアレ、本■の◇★だよね?」

 だけどキラリーヌさんがコラリーヌさんに何か言っているのがよく聞こえず、確認しようと思ったのですが、


 クラリーヌさんがここは話を変えた方がいいと察したのか、

「ねえ、ショースケさんは、何故商品の出所を隠し通すと言ったのかな?」


 僕はクラリーヌさんをジーっと見ます。

 少し年上な・・・・そうは言っても本来の僕からしたら、決して手を出してはいけない年齢なわけで。

 中学生ぐらい?


「あ、それはですね、商品の提供者を売る側、つまり売る側は提供者の事を秘匿すれば、商品の独占販売ができますからね。万が一出所がばれたら、他の商人がその提供者に接触するのは目に見えてますからね。だから秘匿する必要があるのですよ。」


「なるほど!商品の独占かあ。凄いねショースケさん、私より年下なのにそんな事まで考えてるなんて、驚きだよ!」


 本当は年上なんですよ。ごめんね、みんな。


 その後、小麦粉が大量に欲しい!塩やコショウ砂糖も・・・・他にもあるならもっと欲しい!

 そう言われ要求がどんどんエスカレートしていきます。


 でもあまり品数を広げるとあとで困るからね。ここはある程度品数を絞らないと。


 結局

 小麦粉

 塩

 コショウ

 砂糖

 酒(赤ワイン・白ワイン)


 道具は今は微妙なので保留。


 そして、ふとサロモンさん達の方を見ると、

 いつの間にか一人増えている?

 あ、伯爵さまの所の人だね。


 何やら話し込んでます。


 そしてアナイスさんは何やらコップを手にして色々調べているのかな?


 アイナスさんの手にしているコップをよく見ると、中身はどうやら酒で何度もワインを飲んで出来上がってました。

 あちゃあ、僕が出したワインを飲んじゃってるよこの人。


 どうやら酒は需要がありそうなので、取り合えずワインをそれぞれ100個でいいのかな?を用意してみます。

 小麦粉はもう1000袋とか奮発しちゃいます。

 ぶっちゃけ1000袋って大量だから、置き場に苦労したんです。


 4姉妹とニネットさんに手伝ってもらい、部屋の隅にドンドン積んでいきます。

 一番小さなキラリーヌさんの采配の下、実に効率的に小麦粉が積みあがって行きました。


 塩コショウも砂糖も一応100袋。


 まあ、小分けして売るのでしょうがそれでも一度に出すとその多さに驚きます。


 取り合えず前金として金貨を10枚ほど頂き、引き揚げます。


 まあ、当座の資金についてはこんなものでしょう。

 というか睾丸の件で当面資金不足になる事はないでしょうけれど。


 残りはまた明日にでも貰えば良いでしょう。

 若しくは伯爵さまの所にいた人が、明日何かしてくれると信じておきましょう、と言う名の押し付けを期待しましょう。


 何やら騒がしいですが、商会を後にします。


 そして、大通りに出てみたのですが、広間に出た時、何か違和感を感じます。


 僕はとっさに5人を吹き飛ばします。


 怪我しても回復させるからごめんね。


 そして恐らく頭上から何かが落ちてくる、そんな予感がしました。


 衝撃に備えます。ですがよくわからないけれど何だか右へ!と直感があったので、咄嗟に右へ倒れます。

 すると、さっきまで僕の立っていた所に、何か丸いものが落ちてきました。


 これってまさかと思うけれど神が僕を狙った?

 そして、確かベティーナさんだっけ?彼女の言う所によれば、落ちてくるアイテムはこっそり中にベティーナさんが何か入れて用意しているって事だったはず。


 つまりこれを落としてきた神は、知らずに僕の有利になるような事をしてるんだね。


 僕はその丸いものを見て、一寸手袋越しに触ってみて大丈夫そうなので、探ってみると、中が開くようです。


 多分安全なので、開けてみます。


 何か個包装で入っていますね。


 そして他に何かあるのか確認すると、手紙を発見しました。


 ”同じ服じゃあつまらないでしょ?替えの服を用意したわ。それと、今後の事を考えて、女性用の服とカバンを同封するね?意中の女性に渡せばイチコロよ?”



 何がイチコロなんだか。


 僕は色んな服(神のアイテム)を手に入れた!

 よく見ると女性用の服一式やら、下着もあるじゃないか!何故女性用ばかり?

 サイズ大丈夫なんだろうか。


 あ、手紙にはまだ続きがあるようですね。


 ”サイズは自動調整だから、まだ小さなレディにも問題ないわよ?ショーツは貞操機能もあるから、襲われても大丈夫だからね!”


 僕まだ10歳だし。

 あ、でも女性を守るんだから僕の年齢関係ないか?


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