第69話 サロモン・ゴールとアナイス・フォルタン

 再び商館へ入ります。


 ええと誰でしたっけ?うーん名前が思い出せない。

 確かアナイスさん?そんな名前だった気がしますが、何故か彼女と目が合います。


 すると、驚くほど素早くやってきます。


「いらっしゃいませ!ショースケ様ですね!伯爵様よりお話は伺っておりますわ。明日、と連絡がありましたが、今でもいいですもんね、ササ、どうぞ?」


 そう言われそのまま勢いに飲まれ案内されるがまま着いていきます。

 4姉妹とニネットさんを伴って、奥に通されます。


「少し待っていて下さいね?その前に、もし買取でしたら今のうちにテーブルに置いていただくとありがたいですわ。では少し準備がありますから失礼しますわ。」



 あっという間に去っていくアナイスさん。


 そして暫くすると何やら派手な音とともに誰かが入ってきます。


「おお!お待ちしていたのですぞ?伯爵様から色々と聞いておりますぞ!塩ですが、伯爵様も事実上私共に丸投げですからな、伯爵様の名の元に、是非ともあの塩を捌きましょう!伯爵様の取り分を多くすれば、問題なし!」


 いきなりテンションマックスですねこのおじさん。

 ええと誰さんだっけ?


 コラリーヌさんがそっと耳打ちしてくれます。

『サロモン様ですわ。』

『ありがとうコラリーヌさん。』

「ええと、サロモンさん、僕達魔法を学びに行く事になりましたので、実際にはこちらに丸投げになると思いますが・・・・商品は私が直接卸に参りますので、よしなに願います。」


「いいのですかな?まあ事前に値段などは決めておけばよいですからな。」


 こうして何を売るのか等々、話を始めるのですが多岐にわたり話があるので中々疲れます。


 商談は盛り上がりを見せるのですが、ひょんな事から酒の話が出てきました。


「え?ショースケ!お酒あるの?」


 え?ニネットさん飲めるの?

 そうは見えないんだけどなあ。そして凄い喰い付きですね。


「ほお。ショースケ殿!是非ともその酒を!」


 2人の勢いに負けて僕はちょっとポチポチとしてみます。

 無難にワインにしましょうか?瓶はどうかと思ったので、パックのがありますね。注ぎ口がキャップになっていて、その都度開閉して使うやつをチョイスしてみましょうか。


 赤ワインと白ワインをそれぞれ購入し、テーブルに置きます。

 あ?パッケージこのままだけど良かった?


「なんじゃこれは!この容器は何でできておるのだ?紙で出来ておるのか?表面のこの絵は、素晴らしいのう!」


 ブドウの絵が描いてあるやつ。そして思いっきり字が書いてあるけどこれ読めるのかな?


 いきなり失敗です。なんだか面倒な予感がします。


「ショースケさん、いいのですか?」


 コラリーヌさんが聞いてくれますが・・・・


「ああうん・・・・いいんじゃない?これの出所だけど、僕が商会の人なら、絶対隠し通しますからね。」


 すると、クラリーヌさんが、


「ねえショースケさん、凄い自信なようだけど、何故なのかな?」


 さらにカロリーヌさんが追及を。

「やっぱりショースケさんって、うまく隠してるけど、実年齢って私よりはるかに上よね?お姉ちゃんより上?」


 ・・・・カロリーヌさん、なぜわかるの?


「お兄ちゃん、それで隠してるつもりなの?」

 キラリーヌさんにまでばれていた?


 実際そんなに接していないのに何故バレたのでしょう?

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