第83話 あっという間に2ヶ月が経ちました

 ダンジョンで2ヶ月過ごしてしまいました。


 10層ごとの休憩ポイントでその日を終え、翌日には11層から挑んでくと言う流れにいつの間にかなっていたようです。


 50層のワイバーンを仕留める頃には1ヶ月以上が経過していたようです。


 幸い食糧は魔物が稀に魔石以外のアイテムをドロップし、その中にお肉があったからです。


 お肉だけでは栄養が偏ると思ったのですが、僕にはコップがあります。


 栄養ドリンク的なのが出ないかなと思えば出て、調味料が欲しいと思えば出てきます。


 野菜不足だと感じれば、ブイヨンみたいのが出て栄養を補充できたりと万能なコップです。


 ただ、お肉を焼くのに何か道具がないとどうしようもなかったのですが、幸い僕のこの服には購入機能が付いていたのでバーベキューコンロを購入しました。

 これのおかげでおい良く頂けました。

 因みにコップから調味料は出ますが、僕の購入した色々な調味料も勿論活用したんですよ?


 そして実際にはサティ4姉妹が料理を受け持ってくれたんです。

 美少女の手料理とかこれご褒美ですか!

 と思っちゃうほどおいしかったです。


 こんな贅沢いいのでしょうか?


 何故か疾風迅雷のパーティーメンバーが遠い目をしていましたが気にせずその後もダンジョンを進んでいきます。


 僕としては今後の事もあり、手ごわい魔物とはどのような存在か知りたくて、苦戦するまで挑もうとしただけなんです。


 だけど結局100層までそうした強い魔物は現れませんでした。


 それでも油断すると何度か攻撃を受けましたがちっとも痛くないんです。


 怪我もしません。


 異世界だからと、しかも見た目が怖いし大きいしで身構えましたが拍子抜けです。


 地上のオークは多くの冒険者が命を落としましたが、ダンジョンと言うのは魔物が弱いのですね。

 ですが流石に100層のドラゴンは戦いにくく手こずりました。


 口からブレスを吐いたのです。

 それも熱気のあるやつ。


 これがなかなか面倒で、熱いし汗をかくし、視界が揺らぐしで。

 だけどこの紙のナイフは流石です。

 あ、神のナイフでしたね。

 何せドラゴンの鱗が紙のように切れちゃうのでつい紙とか思ってしまいました。


「ショースケ様お疲れ様です。」


 コラリーヌさんの癒しの笑顔が眩しいです。


 この頃には、コラリーヌさんの妹さんやニネットさんには申し訳ないけれど、僕の中では既にコラリーヌさんしか見えなくなってしまっていました。


 確かベティーナ様とかがとんでもない発言をしていたようですし、他の女性陣も複数のお付き合いを何とも思っていなかったようですが、日本人の僕としてはどうしても無理なようです。


 ハーレム上等?

 それも魅力なんですが、僕としては何だか違う気がしていたんです。


 そりゃあ綺麗な、素敵な女性に囲まれたら何だか勘違いしてしまいますし天狗になりそうですが、でも僕はコラリーヌさんがいいんです。

 今の僕の身体からすれば5つも年上な彼女。

 だけど僕の転生前の年齢は20歳。

 コラリーヌさんは15歳。

 日本では犯罪臭がしますが、今の僕からすれば相手は年上。

 姉さん女房素敵だな!


 あ、コラリーヌさんが僕を見て不思議そうにしています。


「うん、何だか疲れちゃった。」

「では少し横になりますか?」

「そうする・・・・」


 何かコラリーヌさんが自分の太腿を刺すので、思わず見つめてしまうと何だか吸い込まれていくように意識が遠のいていきました。


 気が付けば僕はコラリーヌさんのいわゆる膝枕状態で、熟睡していたようです。


 あ、これって足しびれるんじゃ?


!」


 痛い!噛んじゃった。



 地上に戻ると・・・・このダンジョンは、10層ごとに転移陣なる物が存在しているようで、魔法陣かな?一度の6人まで利用ができ、地上に戻る事が出来るのだとか。

 あ、だからダンジョンではパーティー6名までなんだねきっと。


 疾風迅雷のメンバーはふらつきながら冒険者ギルドへ消えていきました。


 僕達6人は伯爵さまの屋敷へ向かいました。

 すると出迎えてくれた伯爵さまにこっぴどく叱られてしまいました。

「こんなにも留守にするなら連絡ぐらいするのじゃ!死んだかと思ったぞ。」


 2か月間留守にしてしまってましたからね。

「す、すいません。何だか強い魔物に出くわすまでダンジョンを進んでみようとおもったら、100層のドラゴンまで手ごたえがなかったものですから。」


 すると伯爵さまは変な顔をし、

「おいショースケ、どういう事だ?」


 どうと言われても、100層まで進んで戻っただけなのですが?

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