第28話 どうしてこうなるのでしょう・・・・

「やめとけ!後悔するぞ!」


「親方、ここは引くべきです・・・・」


 親方は叫んでますが、解体場の職員んでしょうか、彼らに両腕を取られ何処かへ連れ去られます。


 そして僕の周りは完全武装の20人程の冒険者?が現れ、完全に囲まれてしまいました。


「おうあんちゃん、悪く思うなよ!何せ、あんちゃんを殺せば受付嬢と遊んでいいって言うからよ!」


 うわあ。そんな理由で僕は襲われるのですか?しかもあのお肉の塊と遊ぶって、ちょっとどころか全く想像できないんですが。

 僕は念のため帽子をかぶろうと取り出し・・・・これ顔も守る事ができる?

 何か帽子に引っ張る部分があったので、引っ張ると、顔を完全に覆う、ヘルメットみたいな何かが出てきました。

 うん、これで僕は何処にも素肌が出ていない状態です。


「早くヤッて!」


「うほ!俺はこっちのケツの方が・・・・ウホほーい!」

 ・・・・それだけは勘弁願いたいです。

 そう思っていると四方から襲われます。

 剣で切りつけられます。

 それに突き刺そうとしてくる冒険者も。

 ですが、多少の衝撃はありますが、僕はダメージを受けません。

 凄い防御力の服。


 ただ剣を突き刺してきた部分はちょっと痛かったので、コップの水を飲みます。


 これってダメージ与えられる水も出す事ができるのかな?

 僕は念じてみます。そして変な色の液体でコップが満たされました。凄い色。臭いも酷いです。


 攻撃を仕掛けられた以上反撃するしか道はなく、僕はコップの水を周りに掛けます。

「うわ!」

「何これ!」


「うがあ!」


 10人ぐらいにその液体がかかります。

 すると掛かった場所がどんどん溶けていきます。

 凄い酸?


「てめえ何掛けやがった!」


 突進してくる冒険者に、残りの水をかけます。

 あ、顔に・・・・早く拭かないと大変ですよ?

「うがあ・・・・あついいい!なんじゃこりゃああ!」


 あっという間に立っている冒険者は半分に。


 僕が一歩踏み出すと、下がる冒険者。

 そして冒険者の一人が何か言い始めます。

「ちょっとギルマス!聞いてねえっすよ!こいつすげえ強いじゃねえっすか!」


「何言ってるんだ!未だ剣でまともに打ち合ってないじゃないか!」


「ですがさっきの見たでしょう?斬りつけても刺してもダメージ無しですぜ!」

「それはてめえらの剣がナマクラだからじゃないのか?ああ!」


 ・・・・仲間割れですか?


 ここで追撃しないと後々厄介そうですね。ナイフを投げようかな?


 僕はナイフを取り出し、まだ立っている冒険者の脚にナイフを投げます。


 何本かは外れましたが、どんどん刺さっていきます。

「うぎゃあ!」

「取れねえ!」


 何せ貫通してしまう勢い。何人かは床にナイフごと脚が刺さった状態。


「いてええ!何じゃこりゃあ・・・・うう・・・・抜けねえ!」


 僕のナイフを剣で弾こうとする冒険者もいますが、お構いなしにどんどん投げます。

 1人目の前にやってきましたが、ナイフをはじき損ねたのか、どんどん体に刺さっていきます。


「うぐ・・・・取れねえ・・・・助けてくれ・・・・」


 気が付けば立っている冒険者は居なくなってます。


 僕はギルマスと呼ばれている女性に向き合います。


「そ・・・そんな馬鹿な・・・・神様話が違うじゃないですか!この少年は街に仇成す存在と言うから、無理矢理冒険者に襲わせたのに・・・・したくなかったのに・・・・」


 様子が変です。何か話している?


【うっさいだまれ、わしの事を口にするでない!折角加護を与えておるのだ、少しは役に立ってみせろ!】


 あれ?何だか変な声が聞こえます。


「ですがこの少年、オークジェネラルを単独で仕留められるのですよ?普通の冒険者が勝てる道理がありません!」


【黙れと言っておろうが!天罰じゃ!】


「きゃあ・・・・ぐぐううう・・・・」

 え?何が起こってるの?

それに何だか聞き覚えのある様な気がします。

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