第29話 神の介入

 何だか様子が変です。

 そして・・・・

【うべっべがうごごごごごご】


 謎の声の主も変です。

【あ!父上、今何かしましたか?禁則事項に抵触しておりますぞ?】


 そしてギルマスさんに対して何処からともなく放った何かもおさまります。


「う・・・・痺れて・・・・からだが・・・・」

 その場に倒れますが、僕は静観しています。


【うぐ・・・・酷い目に遭った・・・・何でわしがこんな目に・・・・】


【ここは一度出直さなくては。まだ時間はありますから、当初の計画通り明日にしましょう!】

【わかったのじゃ・・・・】


 暫くしてその声は消えましたが・・・・何だったのでしょう?

 そして残されたのは僕の放った酸、そしてナイフのダメージでのたうちまくっている冒険者、そしてギルマスと呆然としている肉のかたま・・・・脂肪の塊・・・・受付嬢。


 何がどうなったのか理解ができません。


 僕は出してあったオークを回収し、この場を後にします。


 残念ですがもうここに来る事はないでしょう。


 そう言えばギルマスさんが何か気になる事を言ってましたが、何ですかね。

 神様でしたっけ?

 神様は僕が街に仇成す存在と言ってたんですよね。

 神様は僕をそんな風に認識してましたか。

 僕は街を救ったつもりだったのですが、そうじゃなかった?


 僕は3人に画面から状況を説明し、建物から出ました。

 すると、3人が外で待っているではないですか。


「あ、その色々申し訳ありません。どうやら神様に僕は街に仇成す者という認識があったようで、襲われてしまいました。」


「え?ショースケ様は街を救ったのですよ?」

「そう思ってたんですけどね。あ、コラリーヌさん達には色々お世話になりました。街を出ます。」

 そう言って礼をし、去ろうとすると止められました。

「あ、待って下さい!」


 手を握られたので、そのまま振り返ります。

「もし宜しければ教会に来られませんか?」


「教会、ですか?」

「ええ・・・・その、神様のお話ですから・・・・何かあるのであれば、きっとベティーナ様が助けて下さいます。」


 神が人を助ける?さっきの神は人を使って僕を襲わせたけれど。

 うーん、そうなのかな?

 僕としては神には祈っても、自身の中から変わらないと、と思うのだけど、この世界では祈れば神がやってくれる?神ってそんなに身近な存在なのかな?

 で、またもや違和感が。

 今この世界ではって思ったよね?じゃあこの世界じゃない世界って?


 ギルドが騒がしかったけれど、僕は3姉妹に連れられ、教会へ・・・・と思いきや、親方に呼び止められた。

「おう、すまねえな、解体が途中だったな。」

「あ、親方さん、色々申し訳ありません。何だか僕のせいで解雇されたようで。」

「いやいいんだ。折角安定した生活だったが、また冒険するのもありかなと。ただギルマスの豹変ぶりが気になる。」

「豹変ですか?」


「ああ。今まで冒険者にあんな態度を取った事はねえからな。ましてや手前はオークジェネラルを単独で仕留める事の出来る強者だ。そんな見た目じゃねえが、実力はある。そんな冒険者は街に留まってほしいもんだ。それをいきなり無視してのあの蛮行だ。すまねえが街を出るのはちょっと待ってくれねえか?」

「はあ・・・・」


 僕は何かに巻き込まれてるのでしょうか?

「あ、取り合えずはこちらの3姉妹と供に教会にいますので、何かありましたら暫らくそちらで連絡取れるかと。」


「お、おうすまんね。」


 僕は待っている3姉妹と共に、教会へ向かいました。

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