第104話 ベティーナ
秩序を司る女神ベティーナ。
その信仰の中心はここ王都ではなく、ショースケが異世界に転移させられた時にいたオーリグーがベティーナ信仰の中心地。
王都ジュリグーにはベティーナの教会があるが、絶対数は少ない。
これはどういう事か。
つまりそれぞれの神は自身の神力を最大限に引き出せる場を好み、ベティーナにとってはオーリグーこそが自身の神力を最大限に引き出せるからこそオーリグーを信仰の中心と位置付けている。
そうは言ってもここジュリグーで力を発揮できないわけではない。
それが各神の神殿や祭壇、そして教会である。
そして今ベティーナは降臨している。
・・・・
・・・
・・
・
ショースケの頭の中にいきなり知識が入り込んできた。
どうやらこの世界の常識を後付けで入れられたらしい。
つまりベティーナがそうしたようだ。
それと気が付いたのもショースケが目を覚ました直後に、こうした今まで知らなかった知識がいきなり入ってきたからに他ならない。
「お、お姉さん痛いです。」
ついお姉さんと言ってしまうショースケ。
見た目はさほど変わらない。
「ごめんね痛かったでしょ!私ってば降臨中だからこうしてやってこれちゃったのよね!」
元気な女神様である。
そしてショースケのアレも・・・・
そう、今まで反応しなかったあれが反応したのだ。
「あら!もしかして私って女性として扱われちゃってたりするのかしら!それは嬉しい誤算ね!!」
見た目はボーイッシュな顔。
髪の毛が下手な男性より短いからそう見えてしまう。
「も、もしかしてベティーナさまですか?」
「そうよ!神界では時間がなかったからあまりお喋りできなかったけれど、今はいいわよ!それともう君はあのバカ親子に襲われる事は無いから安心して!」
僕はもう頭上を気にせずに済むようです。
「それはありがとうございます。しかしベティーナ様、時間は大丈夫なんですか?神と言うのが僕にはどういう存在かいまいち分からないものですから、降臨と言われても、それがどういう影響を及ぼすとかどれ程この地に居られるのだろうとか分からないんです。」
「まあ!色々心配してくれてありがとうね愛しい人!そしてあのバカ親子の神力がほぼ地上で霧散しちゃったから色々と問題が発生しそうなのよ。既に影響が出ているのかしら。実際は問題を解決、そして霧散した神力の回収が終わるまでは地上に居ていいから之から暫く一緒に過ごせることが出来るのよ!」
周囲を見ると、いつの間にかシスターはいなくなっていて、僕以外の女性陣5名は固まってます。
「まあごめんなさいね!貴女達からショースケを取ろうと思ってもいないから心配しないでね?それよりもショースケの姿ね。影響の一つかしら。ショースケの姿をああいった変化をさせたのって神力なのよね。それもあのバカ親子が無駄に力使っちゃったからあんだけど、その力が殆どなくなっちゃったから変化が消えたのね。」
去ってもなお問題の多い2柱です。
そして僕はこの降臨したとかで地上にやってきた女神様とどう接すればいいのでしょうか。
僕には既に心に決めた女性・つまりコラリーヌさんがいます。
但し今僕は20歳、彼女15歳。
これはある意味問題です。
大学生及び社会人が中学生とお付き合いするような感覚です。
日本だったら余程家族ぐるみで認められない限り限りなくアウト。
そしてベティーナ様をよく見れば、もしかして僕と年齢が近いのかな?見た目同じぐらいの年齢なんです。
あの時はそこまでじーっと見る目る事が出来なかったけれど、今は分かります。
あ、なんだかドキドキしてきちゃった。
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