第19話 コラリーヌ・クラリーヌ・カロリーヌ 三姉妹

 僕は冒険者が全員いなくなるのを待って、扉から様子を窺います。誰も近くに居なくなるのを待ちます。

 扉を閉め、僕は3姉妹と再び対面します。


「その、色々すいません、僕色々混乱してて。」

「いえ!とんでもございませんわ。その、私などが対応をしてしまい申し訳ございません。皆さん見目麗しい受付に行かれるので、どうしても私以外の所は常に順番待ちなのです。」


 そう言って目を伏せるその女性。他の2人もです。

「あの、僕何か違うと思うんです。その、今は僕の顔を見て喋ってもらえませんか?」


「あの、宜しいのでしょうか?」

「宜しいも何も僕、貴女みたいな素敵なお顔をもっと見ていたいですから。」

 僕はにっこりと語りますが受付のお姉さんは困惑している様子。

「とんでもございません!貴方様のような容姿に恵まれた方を、私みたいな顔の女がその、見つめるなどおこがましいと言いますか。」


 また伏せます。

「あの、それも含めてなのですが色々聞きたいので、しっかり僕を見てくれませんか?」

 そしてまた僕を見てくれます。戸惑いの表情が見て取れますね。

「申し訳ありません。」


 どうしたらいいのでしょうか?


「あ、その先ずはですね、僕は冒険者登録をした方がいいのでしょうか?」

「あ、はいそうでした。もし差支えが無いようでしたら、先ほどのお話の続きをお聞かせ願えれば、僭越ながらこちらで色々助言などができると思います。」


 僕はその受付の女性の手を取り

「ありがとうございます!」

 と言いましたが、あ、しまった!美女の手を握るなんてとんでもない事をしてしまった!


「あ・・・・その・・・・宜しいのですか?私を触ろうなどと誰も考えませんが・・・・盗賊ですら私は見捨てるだろう見た目なのに。」


 やはり美醜が変です。逆になってるのでしょうか?


「その事なのですが、後でお話しますが僕にとって貴女達は、ええとその3人は姉妹ですか?」

「はい、そうなのです。」

「貴女達3姉妹は僕からすれば、絶世の美少女、美少女ですよ。理想的な体型ですし。それよりも他の受付ですよ!僕はあんな化け物を見てしまい、戦慄を覚えましたよ。」

「え?他の受付の方を化け物って?素晴らしい美女ですわ?それにあの素晴らしい体型と言ったら!それと、私達を美少女って、それ本気で仰ってますか?」


 いや、ぶっちゃけただの脂肪の塊だよあれ。

「何を言ってるのかわかりませんが、あんな脂肪の塊、僕は生理的に無理です。近づいてきたら吐きますよ、あんな酷いの。自己管理もできていないんでしょあんなの。それと、貴女達3姉妹の事は、本心です。」


「その、それ本気で仰ってますか?もしそうでしたら絶対に外では言わない方が宜しいかと。」


「ねえお姉さん、ええとコラリーヌさんでしたか?横の2人はクラリーヌさんとカロリーヌさんでしたっけ?」


「ええその通りですわ。」


 このような世間の感覚では僕の異世界生活はどうなるのでしょう・・・・って、異世界生活?それ何?

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