第73話 ベティーナ様の用意した服
ベティーナ様がこの服を用意したという事実。
これはつまり、今後もこの5人と親密になっておきなさいという事なんだろうな。
ソファーでふて寝をしつつ、僕はそんな事を考えました。
つまり、サティ4姉妹もそうだけど、ニネットさんともという事でいいのかな?
まあまだ付き合いは短いけれど、何となく彼女の為人は理解したつもり。
うじうじ考えても仕方ありません。
ここは直感を信じてみましょう。
そう、ニネットさんは信用できる・・・・と。
だけど、この状態で僕の事を打ち明けていいものかどうか悩みます。
何せ僕がこの世界に来てからまだ3日程しか経っていないのですから。
何か拘束力のある書面があればいいのだけどそんな都合のいい書面ってあるのかな?
万が一僕の秘密を知ってしまい、それを他人が知るために彼女らが危険な目にあう可能性もある訳で、これは何としても防いでおかないと。
そこまで考えていたら、誰かが僕を揺すってきます。
「ちょっとショースケさん?そろそろ起きてほしいかな?」
この声はクラリーヌさんかな?
僕は声の方に向き直り、体を起こします。
すると、先ほどの中に入っていた服に着替えた5人が目の前に。
ええと、落ち着いた感じの服だけど、そしてシンプルな服なんだけど。
凄く似合ってるのは何故?
「あ・・・・その服、さっきの?」
「え、ええ、そうよ?どう?もしかして着方間違ったりしてた?」
僕は声をかけてくれたクラリーヌさんをまじまじと見ます。
うん、ちゃんと着こなしてるし、そのとても似合ってます。
「大丈夫ですよ、しかも似合ってますね。これはベティーナ様のセンス?それともクラリーヌさんがこの服を着こなせるだけのセンスがあった?」
「え・・・・ええとそれは素直に喜んでいいのかしら?」
「あ、そのごめんなさい、うん、とても似合ってます。」
「あ・・・・ありがと。」
う・・・・そんな顔を真っ赤にさせながらもじもじするのを見ると、勘違いしそうです。
「ねね、わたしはどう?」
今の僕と同じ年のカロリーヌさんが僕の前にいます。
えと、やはり彼女も落ち着いた装いですが、年相応な感じでとても似合ってます。
「あ、その、カロリーヌさんのも年齢相応な装いですが、とても似合ってますよ。」
「そう?ショースケさん、嬉しいわ。」
笑顔がまぶしいです。
「お兄ちゃん私はどう?」
一つ年下のキラリーヌさん・・・・やっぱり”ちゃん”の方が良いかな?
可愛らしい装いなんだけど、よく見ると服自体は地味。
キラリーヌちゃんが着こなしているんだろう。
「そうだね、とても可愛らしく纏まってると思うよ。何で地味な服でそんなに可愛らしさが出るか不思議だけど。」
あ、喜んでいるね。
そしてコラリーヌさんとニネットさんが並んで待ってます。
二人ともほとんど同じ姿ですね。
何というか清楚なその姿は、ただただ素敵です。
「あ・・・・二人とも素敵だよ。」
思わずつぶやいてしまったようです。
「ショースケ様?」
コラリーヌさんが困惑した様子で聞いてきます。
「あ、その・・・・二人ともとても似合っていて、素敵だなあと、そう思ったので。僕の本音です。」
するとニネットさんが、
「え?本当に?ちょっとうれしい事言ってくれるわね!」
喜んでくれて何よりです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます