第26話 ギルドの解体場

 ギルドの奥には普通、解体場がある。


 これは解体のスキルの無い冒険者らが、自ら解体し素材を駄目にしないよう、ギルドで解体をする為である。

 また、上位の冒険者や貴族の冒険者などは解体を嫌う場合があり、ギルドへ魔物ごと持ち込む場合もある。

 ただ、魔物ごと持ってくると嵩張るので、そう数は多くはないのだが・・・・


 現在解体場の親方は、並べられたオークを見て唸っている。


「何だこの数は・・・・お前さん収納持ちか・・・・?」


 そう、何故親方が唸っているのかと言うと、僕はコラリーヌさんに連れられて解体場にやって来たのですが、親方はせっかちな性格のようで。


「親方、こちらのショースケ様がオークを持ち込んでいらっしゃるようですので、解体場へ案内いたしました。いかがなさいますか?」


 親方と言われた人は僕をにらむと・・・・

「あ?姉ちゃん何処にあるんだ?まあいい。おいぼくちゃん、あるならササッと出せ、そしてそこへ並べろ!」


 いきなりなんですかね、この人・・・・


 仕方がないので、僕はオークをどんどんカバンから取り出し、並べていきます。


 そして先ほどの話になるんです。


 僕は数えてませんでしたが、10体はあります。


 そして2体大きなのを出し、最後に一番大きな個体の死体を並べます。


「おうあんちゃん、こりゃあ・・・・とんでもねえもん持ち込みやがって!おいてめえら!これはジェネラルだ!まず睾丸を急いで確保しろ!そして確保できれば伯爵さまに使いを出し、薬師を連れてきてもらえ!」


 僕は小声でコラリーヌさんに聞きます。

「今伯爵って言ってたけど、もしかしてこの街の領主さまって伯爵ですか?」


「はいそうですわ。オーリグー伯爵さまがこの地を治めておりますの。」


 ・・・・伯爵?

 何となくドラキュラを思い浮かべちゃったけど、この地は伯爵が治めているのか・・・・ってドラキュラって何?


 また謎の知識が出てきました。


「おい、何だこれは!ジェネラルもトンデモだが・・・・キャプテンとコマンダーだと?」

 あ、大きいのは他に2体ですね。


 あのナイフサマサマです。


「素材は買い取ってもらえるのでしょうか?」


 僕は誰となく聞きます。

「一寸値段が付かないかもです。今ギルドマスターを呼びに行かせてますから、もう直ぐやって来ると思いますわ。」


 ギルマス?どんな立場なんだろう?


 その間に、もう一度ステータスオープンをします。

 ひとつ気になっていた項目があったんです。

 パーティー申請という項目です。


 これを選択すると、3姉妹の名前が出てきます。

 パーティー申請をいたしますか?と出るので申請をします。

 その瞬間3人に何か反応があります。

 僕は小声で3人に話します。

「一応・・・・駄目かな?」

「いえ・・・・宜しいのですか?」

「なんだか少し嫌な予感がするので・・・・あ、承認ありがとうございます。」


 もう3人は承認してくれました。

 僕は画面から3人に伝えたい事を送ります。

【貴女達に対するギルド内部の態度が気になったので、こうやってこっそり連絡した方が安心なので。】

【お気遣い感謝いたします。】


 この予感が不発に終わればいいのですが・・・・



 そんなやり取りをしてちょっと安心しました。

 そう思っていると、何だか騒がしい・・・・?

 何だろう。

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